出典:Mosa Meat
細胞培養で牛肉や牛脂を開発するオランダのモサミート(Mosa Meat)は、海外市場への進出に向け、オランダ政府系の投資機関Invest Internationalから87.5万ユーロ(約1億6,000万円)の返済型の開発資金を調達した。
モサミートは、2013年に世界で初めて細胞性牛肉バーガーを発表した企業。昨年12月には1500万ユーロ(約27億円)を調達し、2013年当時と比較してコストを99.999%削減したと発表した。
同社はこれまで、スイス、EU、イギリス、シンガポールで販売認可に向けた申請を提出しており、スイス、EU、イギリスでは、細胞性脂肪を対象とした申請であることを明らかにしている。
モサミートは調達した資金を、新たな市場の検証、製造・サプライチェーンパートナーとの提携構築、シンガポール・米英・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどの市場における承認手続きに活用する。
細胞性食品:技術は進展するも、市場開拓は発展途上

出典:Mosa Meat
細胞性食品をめぐる技術開発は着実に進展している。
Vowは昨年、22,000リットルでの培養を実施し、先日にはPARIMAの細胞でも生産が可能なことを示した。
Good Food Institute(GFI)の報告では、複数の企業が2025年に培地コストを1Lあたり0.20ドル以下と発表したほか、利用可能な細胞株も増えている。先週東京で開催された細胞農業会議でも、スタートアップや研究者からさまざまな技術成果が報告された。
一方で、こうした技術を市場に接続する規模においては、世界的にもまだ発展途上だ。
シンガポールでは細胞性鶏肉や細胞性ペットフードが小売店で継続的に販売されるようになったものの、その規模は限定的で、複数の国では規制の障壁もある。日本でも制度整備は完了していない。GFIによると、多くの企業では依然として1,000リットル未満のバイオリアクターを運用している。

Foovo作成(2026年4月16日時点の状況)
Invest Internationalの最高投資責任者を務めるJeroen Plag氏は、「モサミートは(細胞性食品の)技術が有効であることを実証しました。細胞性食品の生産が可能なことは分かっていますが、今後は海外市場への参入、規制の枠組みへの対応、消費者へのリーチ、そして生産拡大が求められます」とプレスリリースで述べた。
EUでは審査継続、英国は申請案件の公開確認できず
今回のプレスリリースでは、EU以外でモサミートが新たな市場を開拓する重要性が言及されている。
モサミートは2025年1月、EUで細胞性牛脂の新規食品申請を提出したと発表した。その申請は今年2月にEFSAが受理し、現在はOpen EFSAで進捗を確認できる(下記画像)。
2024年夏にEUで申請書を提出した仏Gourmey(現PARIMA)は、2024年9月に書類が受理され、2年近くたった現在も審査が継続されている。こうした状況を踏まえると、モサミートについても、EUでの承認までには長期間を要する可能性が高い。
モサミートはイギリスの規制サンドボックスプログラムに採択され、2025年5月には英当局に申請を正式に提出したと発表した。一方、英当局が公開する申請済み新規食品のデータベースでは、PARIMAの案件が掲載されているのに対し、現時点でモサミートの案件登録は確認できない(2026年7月17日時点)。
公開された情報からは、技術開発が進展する一方、モサミートの商用化には依然として規制面の課題が残されていることがうかがえる。規制承認の長期化が見込まれるなか、今回の資金がモサミートにとって最初の市場投入を実現する糸口となるかが注目される。
※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから
関連記事
アイキャッチ画像の出典:Mosa Meat















































この記事へのコメントはありません。