代替プロテイン

食品原料大手のADM、The EVERY Companyの精密発酵卵白タンパク質「OvoPro」を2027年から米国で商用生産

出典:The EVERY Company

カリフォルニア州を拠点とする精密発酵スタートアップのThe EVERY Companyは今月、大手農産物加工・食品原料メーカーADMの工場で、精密発酵卵白タンパク質の商用生産を開始するために同社と提携したと発表した。

EVERYによると、ADMは来年から、EVERYが開発した精密発酵卵白タンパク質「OvoPro」を商用生産する。アイオワ州クリントンにあるADM工場で製造し、タンパク質の需要増に対応する。

「アメリカでこの戦略的パートナーシップを確立することは、現在の欧州生産枠を超えてグローバルな製造拠点を拡大するための重要な一歩」だとEVERYはリンクトインで述べた。

出典:The EVERY Company/ADM

今回の発表は、同社が先月、2026年の最初の4ヶ月で2025年受注量の550%に相当する年間受注を獲得したことや、ヒト・動物用製薬大手Huvepharmaの子会社Biovetがブルガリアに所有する900万リットル超の発酵設備を活用し、生産能力を4倍に拡大すると発表したことに続くものとなった。

昨年以降、EVERYの躍進が続く。

精密発酵で卵白タンパク質を開発する主なスタートアップには、EVERYとフィンランドのOnego Bioがある。市場投入ではEVERYが先行しており、昨年以降、ウォルマート、Targetなど大手スーパーマーケットチェーンでOvoProを使用した製品が展開されている。

ADMのイノベーション・成長担当部長のKris Lutt氏はプレスリリースで、「世界的に高まるタンパク質需要を満たす唯一の方法は、高品質なタンパク質供給を拡大できる革新的な新原料の選択肢を追加することであることは明らかです」と述べ、タンパク質需要への対応策として精密発酵タンパク質を取り入れる必要性に言及している。

ADM工場での生産規模について具体的な数値は公表されていないが、EVERYで商品マーケティング責任者を務めるCorinn Williams氏は3月、Foovoによるインタビューで、2027年から2028年にかけて数千トンの生産を予定していると述べていた。ADMとの提携は、その計画に向けた前進といえる。

OvoPro 出典:The EVERY Company

鳥インフルエンザなどを背景に、卵価格は近年大きく変動している。

アメリカでは卵の年間平均小売価格が2025年に前年比21.9%上昇した後、2026年には低下が予測されている。一方EUでは、2026年第27週時点での卵の週平均価格が、2021~2025年平均と比較して約27%高い水準となり、食品メーカーにとって供給安定性とコストの予見可能性が課題となっている。

こうした供給・価格変動の課題に対し、EVERYの創業者兼CEOであるArturo Elizondo氏は、サプライチェーンの拡大・強化を目指す食品メーカーにとって、OvoProは機能性やタンパク質含有量を確保しながら、製品の品質、供給の確実性、コストの安定性を高める選択肢になるとしている。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:The EVERY Company

 

関連記事

  1. Big Idea Venturesの第3コホートに参加する15社…
  2. 精密発酵セミナー開催のお知らせ|2023年4月20日(木)
  3. 米Bond Pet Foods、精密発酵ラムタンパク質でGRAS…
  4. 【第8回細胞農業会議レポート】問われる「出口」の重要性、阪大は年…
  5. 培養魚企業ブルーナル、回転ずしチェーン「スシロー」を展開するフー…
  6. バイオテック企業が培養ペットフードを開発するGood Dog F…
  7. イスラエル政府が培養肉コンソーシアムに約23億円の助成金を提供
  8. オランダの培養肉企業Meatableが約51億円を調達、来年にシ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

会員権をNFTにした世界初のレストラン「Flyfish Club」、2023年ニューヨークにオープン

VCRグループが先月、世界初のNFTレストラン「Flyfish Club」を来年…

イート・ジャストの代替卵JUST EggがEU当局の認可を取得

植物由来の代替卵を開発するアメリカのスタートアップ企業イート・ジャストは、主力製…

英Adamo Foods、菌糸体で「妥協なき」ホールカット代替ステーキを開発|2026年後半に英国で試験販売へ【インタビュー】

出典:Adamo Foods代替タンパク質企業への投資額の減少が続き、ビヨンドミートなど一部代替…

ShiruがAIプラットフォームで開発した最初の製品「OleoPro」を商用化

アメリカのバイオテック企業Shiruは今月、AIを活用した最初の食品原料の商用化…

xRoboticsのピザロボットがピザ店での試験運用を完了、800の予約注文を受注

ピザロボットを開発するxRobotics(エックスロボティクス)が、オックスフォ…

食品業界の共通課題に挑む 「未来型食品工場コンソーシアム」、原料秤量工程自動化プロジェクトを始動

ロボットスタートアップ企業テックマジックが食品メーカー5社と立ち上げた「未来型食…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoセミナー開催のお知らせ

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP