代替プロテイン

米国FDA、GRAS通知を義務化する規則案の公表時期を2026年12月に延期

ロバート・ケネディ・ジュニア米保健福祉長官(出典:米保健福祉省)

アメリカ食品医薬品局(FDA)が進めるGRAS通知を義務づける規則案「0910-AJ02」について、公表予定が当初の2025年10月から2026年12月へ延期されたことが分かった。

FDAは昨年、2025年春統一アジェンダに、GRAS(Generally Recognized as Safe:一般に安全と認められる)とされるヒト・動物向け食品成分について、FDAへの通知を義務付ける規則案を追加した

現在は、企業が食品成分の安全性を自ら判断するGRAS自己認証により、FDAへ通知せずに原料を市場投入できる

規則案が最終決定されれば、対象となる食品原料の展開を目指す企業にはGRAS通知が義務付けられる。FDAは提出されたGRAS通知を公開インベントリに掲載し、食品に使用される物質の透明性を高める方針だ。

当初の規則案概要 出典:0910-AJ02

当初は2025年10月に規則案の公表(NPRM)が予定されていたが、2026年12月へと1年以上延期となった。

最新の規則案概要 出典:0910-AJ02

義務化はまだ決定しておらず、規則案の本文も公表されていないため、GRAS自己認証で市販している原料にどのような経過措置が適用されるかも未定となる。

ただし、最新の規則案概要(下記画像部分)では、最終規則の施行前からGRAS規定のもとで流通している物質の用途について、企業が希望すれば、期間限定で簡略化された方法により情報を提出できる制度が想定されている。この制度を利用する企業には、書類の作成・提出に伴う一時的な費用が発生する。

出典:0910-AJ02

このことから、施行前に流通している既存品については、通常のGRAS通知と同じ手続きを直ちに求めるのではなく、一定期間、簡略化した手続きで情報提出できる移行期間を設ける考えが当局にあることがうかがえる。

同規則案は2025年12月1日から、大統領令12866に基づく審査を受けている

これまでに20回以上の関係者会合行われておりIngredion味の素コカ・コーラMycoTechnologyペプシコなどの食品・飲料企業も会合に参加している

細胞性食品(培養肉など)は、FDAの市販前協議の対象となり、審査プロセスが異なるため、本規則案の影響は受けないものと思われる。一方、GRAS制度を利用してアメリカで上市を目指す精密発酵やマイコプロテインなどの原料には、より直接的な影響が予想される。

 

※本記事は、規則案0910-AJ02をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

 

GRAS自己認証の廃止に向けたこれまでの流れ

 

その他関連記事

アイキャッチ画像の出典:米保健福祉省

 

関連記事

  1. 【2023年度版】精密発酵レポート販売開始のお知らせ
  2. オランダのNoPalm Ingredients、酵母由来油脂の工…
  3. 米Brown Foodsが培養全乳「UnReal Milk」を発…
  4. ドイツのMeatosys、農家の培養肉生産を可能にするモジュール…
  5. ゲイツ氏、ベゾス氏が支援するNature’s Fyn…
  6. Perfat Technologiesによる「次世代オレオゲル」…
  7. オイシックス、新潟大学大学院にフードテックの学位プログラム設置へ…
  8. DAIZが植物性代替卵「ミラクルエッグ」の開発に成功、ハイブリッ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

Umami Bioworks、韓国に培養シーフード工場設置へ―2社との戦略的提携を発表

シンガポールの培養シーフード企業Umami Bioworksは今月、韓国に培養シ…

Umami Bioworks、ペットフード用途で細胞性シーフードのEU登録完了、日韓マリンコスメ市場進出へ【インタビュー】

出典:Umami Bioworks「技術にこだわるのではなく、消費者が求めている最終製品を生…

細胞性脂肪のCultimate Foods、倒産手続きへ|事業継続を前提に財務再建に着手

出典:Cultimate Foods細胞性脂肪(培養脂肪)を開発するドイツ企業Cultimate…

海藻由来の代替タンパク質を開発する米Trophic|大豆に代わるタンパク質源の「主役」となるか?

植物ベースの代替肉といえば、大豆、えんどう豆などが主流だが、数年後には、海藻が主…

New Cultureが世界で初めて精密発酵カゼインでGRAS自己認証を発表

精密発酵でカゼインを開発する米New Cultureが、世界で初めて精密発酵カゼ…

Fresh Insetが開発した食品鮮度保持技術Vidre+Complex、ポストハーベスト業界を超えた包装革命に期待|セミナーレポート

食品ロスの多くは、野菜や果物が収穫されてから消費されるまでの、保管、輸送、販売、…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

細胞性食品(細胞培養食品)レポート・予約注文開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP