精密発酵によりアニマルフリーな乳タンパク質を開発するFormoは、バイオテクノロジー企業Brain Biotechとの戦略的パートナーシップを締結した。FormoはBrain Biotechの遺伝子編集ツールを活用し、精密発酵で必要な菌株の開発を加速する。
この戦略的パートナーシップは、微生物を最適化し、精密発酵を通じた新しい持続可能なタンパク質生産を拡大することを目的としている。
「乳製品のサプライチェーンから牛を除外する」
ベルリンを拠点とするFormoは、牛の代わりに微生物を活用して、牛と同等の乳タンパク質を開発している。
ヨーロッパにおける最初の精密発酵プレーヤーである同社は、数ギガトンの二酸化炭素排出量を削減し、7000億ドルの乳製品市場に革命を起こそうとしている。
目的のタンパク質を作る遺伝子を微生物に組み込み、アルコールの代わりに目的のタンパク質を作る手法を精密発酵という。ここで、微生物は「生産工場」として機能する。
遺伝子を挿入された微生物を発酵槽で培養すると、微生物は十分な量のタンパク質を生成する。
Formoの場合は乳タンパク質を生成させるが、微生物に与える「指令」を変えることで、卵白タンパク質、着色料、ハチミツなど異なるタンパク質を生成させることが可能だ。
Formoは生成された乳タンパク質に植物油脂、炭水化物、塩などを添加して、最終製品の元となる濃縮物をつくる。次いで、酵素や熱によって濃縮物を凝固させることで、新鮮なチーズとしたり、熟成させて独特の風味のあるチーズにしたりできる。こうしてできたチーズは従来の動物由来チーズと「区別できない」という。
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出典:Formo