代替プロテイン

カフェに溶け込む培養肉―シンガポール・フードテック実食レポート(1)Vowの培養うずら肉「FORGED」

写真提供:吉田美和氏

 本記事は、エトワール国際知的財産事務所の弁理士・吉田美和氏による寄稿文です。

 

フードテックの食べ物を色々試してみたいという念願を叶えるために、2025年の冬休みを利用してシンガポールを訪問し、実際に様々なものを実食することができた。

飛行機が遅れたためクリスマスの夜中に到着したものの、早速翌日の朝に、ブランチを兼ねておしゃれなカフェ(ATLAS COFFEEHOUSE)に、まずはVowの細胞性うずら肉培養うずら肉)「FORGED」のクロケットを試しに訪問をした。

こちらのカフェについては、まずVowのサイトの”DINE NOW”のリンクから、エリアとしてシンガポールを選び、当日アクセスがしやすそうでかつ確実にFORGED製品が食べられそうなお店として選択をした。

出典:Forged(矢印はFoovo追記)

出典:Forgedを食べられる国・場所(2026年1月14日時点)

おしゃれな店内、そして朝から盛況な様子であった。

写真提供:吉田美和氏(2025年12月撮影)

FORGEDとはなんぞやの説明もメニューに挟まれた形で用意がされていた(下記写真)。15.5シンガポールドル(約1860円)はクロケット約6個分の値段となる。

写真提供:吉田美和氏(2025年12月撮影)

写真提供:吉田美和氏(2025年12月撮影)

普通に美味しそうな実物の写真もメニューに挟まれて用意されていた。客側に実際の商品のイメージを具体的に示すためのものなのかもしれない。

写真提供:吉田美和氏(2025年12月撮影)

そして実際に運ばれてきたのは、メニューの写真の通りに美しく盛り付けられたクロケットであった。

こちらのクロケット、意外と衣の部分が固く、ナイフで切ろうとしても切れなかったので、そこまで大きくもなかったため、最後はかぶりつくことにした。

中は個人的には少し人工的な印象のピンク色であった。

写真提供:吉田美和氏(2025年12月撮影)

うずら肉がペースト状になったものにマッシュポテトなどが配合されたものなので柔らかく、肝心の味はジャガイモとお肉が入ったコロッケといった感じで問題なく普通に美味しく、食べやすかった(本物のうずら肉をほとんど食べたことがないので、本物との味の比較はできていない)。

ただ個人的には、色味が若干きつめのピンク色のように思った。本物のうずら肉を知らないのでこの色が人工的なものなのか、本物を忠実に反映しているものなのかは分からなかったが、コロッケの具としてはあまり見たことのない色味だったので印象的だったのかもしれない。

Foovoの過去記事からも、VowのForgedのParfaitは、このようなピンク色をしているもののようであった(下記写真)。

Foovo(佐藤)(2024年4月撮影)

なお、Vowの細胞性うずら肉は2024年11月に香港でもデビューし、現在、オーストラリアのレストランでも提供されており、同国限定でオンライン販売もされている(2026年1月14日時点)。

2025年のGood Food Institute(GFI)の細胞性食品に関するレポートによると、当時Vowは15,000Lスケールのバイオリアクターで細胞性うずら肉を製造しており、その後、2万Lのバイオリアクターでの収穫に成功した。

それにしても本当に現地で人気のありそうなオシャレなカフェで、自然に細胞性食品もメニューの中に取り入れられているとは、初日からシンガポールの積極的なフードテックへの取り組みの姿勢に、軽い衝撃を受けた気持ちとなった。

 

著者:吉田美和氏エトワール国際知的財産事務所弁理士

 

関連記事

アイキャッチ画像は吉田美和氏提供

 

関連記事

  1. シンガポール・イスラーム評議会、特定条件下で培養肉をハラールと認…
  2. オランダで精密発酵・バイオマス発酵の承認前試食が可能に|2026…
  3. 代替卵イート・ジャストが欧州進出へ向けて加速、EUの承認待ち
  4. イスラエルの培養肉企業MeaTechが世界で初めてNasdaq市…
  5. 二酸化炭素、水素から脂肪を開発する米Savorがバター試作品を開…
  6. 二酸化炭素を使用して代替脂肪を開発するスウェーデンのGreen-…
  7. シンガポール企業Mycosortia、おからをアップサイクルした…
  8. 培養羊肉のMagic Valleyがパイロット施設へ拡張、年産1…

おすすめ記事

アメリカのマクドナルドがマックプラントを導入!11月から8店舗で試験導入

マクドナルドは来月よりアメリカで、植物性のマックプラントの試験導入を開始する。…

クリーンラベルの代替カゼインを開発する米Pureture、年内にアメリカで上市へ【創業者インタビュー】

ニューヨークに拠点を置くバイオテクノロジー企業Pureture(旧称Armore…

培養細胞を原料とする食品、「細胞性食品」を基本名称に──「培養」から「細胞性」へ|官民協議会が方針発表

写真:Gourmeyフードテック官民協議会の細胞農業ワーキングチームは2025年8月18日、培養…

ネスレ、アニマルフリーな乳製品開発で精密発酵スタートアップと提携

ネスレが精密発酵市場に参入する。ネスレは12日、精密発酵により乳タンパク…

スティックブランドの米Slim Jimがメタバース参入に向けて商標を出願

アメリカを拠点とするミートスティックブランドのスリムジム(Slim Jim)は、…

Evo Foodsとギンコ・バイオワークス、アニマルフリーな卵タンパク質の開発で提携

海外では動物に頼らずに食品成分を作る手法として、精密発酵が人気の手法になりつつあ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

代替カカオレポート販売開始のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP