代替プロテイン

ÄIO、酵母由来の食品用風味油脂の工業生産に向けエストニア政府から約2.2億円を獲得

出典:ÄIO

林業廃棄物などから代替油脂を開発するエストニアのÄIOは先月18日、エストニア・ビジネス・イノベーション庁が管理するエンタープライズ・エストニアから120万ユーロ(約2億2,000万円)の助成金を獲得したと発表した。

同社は調達した資金で、新プロジェクト「FERM-OIL」を始動させ、今後3年間で酵母バイオマスである食用風味油脂Flavoured Fat」の生産をパイロット規模から工業規模へ移行させる方針だ。

今回の発表は、化粧品や食品用の代替油脂1トンの初生産成功した昨年9月のニュースに続くものとなる。

また、ÄIOは昨年7月にも、エストニア・ビジネス・イノベーション庁の別プログラムから、化粧品・パーソナルケア成分への利用を目的に100万ユーロ(約1億8,000万円)の助成を受けている

2022年設立のÄIOは、おがくずなどの林業廃棄物を発酵プロセスでアップサイクルし、食品や化粧品用途に「レッドオイル」、「カプセル化オイル」、「ZymaLipid Complex(旧称「バター脂肪」)」を開発してきた。昨年には、シンガポールのCDMO企業ScaleUp Bioとの提携により、10,000リットル規模へのスケールアップに成功した。

同社公表資料によると、まず非GMO酵母を用いた化粧品向け油脂・遊離脂肪酸の商用化を進め、次の段階としてGMO酵母による精密発酵で高付加価値分子(詳細は非公開)の開発を進めるとしている(上記資料)。

新プロジェクト「FERM-OIL」では、第二世代原料として食品、林業、農業などの副産物の使用を検証する。顧客企業と協力し、風味油脂をさまざまな食品、ベーカリー、飲料に使用した場合の性能評価を行う予定だ。また、生産を受託製造施設(CMO)へ移行させ、プロジェクト終了までにTRL6(Technology Readiness Level:技術成熟度/関連する環境で試作品を実証できた状態)の達成を目指している。

ÄIOは、エストニアに豊富にあるおがくずを有効利用して油脂を開発する企業として事業を開始した。

今回のプロジェクトではおがくず以外の原料も検証対象としており、「食品メーカーが自社の副産物を利用して脂肪・油脂を地元で生産できる」という同社の長期ビジョンに沿った取り組みであることがうかがえる。

出典:ÄIO

ÄIOは同プロジェクトが、年産4,000トンの生産施設への追加投資の基盤になるとプレスリリースで述べた。

同社は2024年、エストニアにデモプラントを2026年までに建設する計画を発表しており、今回言及された4,000トンの生産施設はその次の段階の設備とみられる。現在ÄIOに確認中であり、回答が得られ次第、情報を更新する。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:ÄIO

 

関連記事

  1. 草食動物の腸内細菌で代替タンパク質を開発する米SuperBrew…
  2. 英Meatlyがイギリスで培養ペットフードの販売認可を取得、年内…
  3. Kikka Sushiが米ホールフーズで植物性のビーガン寿司を発…
  4. Mirai Foodsが厚さ1.5cm以上の培養テンダーロインス…
  5. 培養肉の進展と課題-タフツ大学デイビッド・カプラン教授が都内で講…
  6. SavorEatがパーソナライズ化された3Dプリント植物肉バーガ…
  7. 精密発酵ホエイ・カゼイン開発の最前線|精密発酵による乳タンパク質…
  8. 中国初の培養肉・微生物タンパク質センターが北京に誕生-未来食品の…

おすすめ記事

米Bond Pet Foods、精密発酵由来の動物タンパク質2トンをペットフード会社に納品

精密発酵によりペットフードを開発する米Bond Pet Foodsが、精密発酵で…

培養肉セミナー動画(日本細胞農業協会理事・岡田健成氏)|2024年3月開催

今月25日、培養肉の研究開発に取り組むかたわら、日本細胞農業協会で理事を務める岡…

代替肉ブランドTiNDLEを開発するNext Gen Foodsが約114億円を調達、米国本格進出へ

植物由来の代替肉を開発するシンガポール企業Next Gen Foods(ネクスト…

精密発酵で着色料を開発するMichromaが約8.4億円を調達

精密発酵により持続可能な天然着色料を開発するMichromaは今月、シードラウン…

ドイツ発goodBytz、在韓米軍基地でロボットキッチンを正式稼働──軍事施設への初導入

出典:GoodBytzドイツのロボットスタートアップgoodBytzは今年9月29日、同社のロボ…

イート・ジャストの培養肉部門GOOD Meatが約184億円を調達

アメリカ企業イート・ジャストの培養肉部門GOOD Meatが1億7000万ドル(…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP