代替プロテイン

代替シーフードの先駆的企業、スウェーデンのHooked Foodsが閉鎖

出典:Hooked Foods

代替シーフードを開発するスウェーデンのHooked Foodsは今月、閉鎖を発表した。共同創業者でありCEO(最高経営責任者)のTom Johansson氏がリンクトインで発表した。

同社は昨年4月、欧州の食品イノベーションイニシアティブEIT Foodのプログラムを通じて22万1375ユーロ(当時約3500万円)を獲得していた。しかしBreakitの報道によると、昨年の売上高は140万クローナ(約2,400万円)で、620万クローナ(約1億円)の損失を計上。増資などを行ったものの状況は好転せず、閉鎖に至ったという。

2019年に創業されたHooked Foodsはスウェーデン・ドイツでの市場投入を進めてきた。

同社は大豆、えんどう豆、小麦のタンパク質を使用した代替サーモン「Salmoonish」、えんどう豆、藻類タンパク質を使用した代替マグロ「Toonish」を開発。

2022年9月にはスウェーデン小売に導入し、2023年12月にはドイツのスーパーマーケットにも導入された。ドイツでは小売大手のREWEの400店舗で取り扱われ、着実に販路を拡大した。

出典:Hooked Foods

近年は、代替ケバブ、代替フィレ、代替チキンなどシーフード以外の代替肉製品も開発し、サンドイッチなどとしてスウェーデンのセブンイレブンにも導入されていた。しかし、製造メーカーの破産や販売業者の事業停止の可能性により、難しさが見られたという。

「当社はこれまでで最高の製品を有していますが、残念ながら市場はそれに応えていません」とJohansson氏はBreakitに述べている。

このニュースは、先日の米Aqua Cultured Foodsの事業終了に続く代替シーフード企業の終了事例となった。

閉鎖と再編が進行する代替シーフード

代替シーフード領域では閉鎖だけでなく、統合・再編も進む。

米Gathered Foodsが展開していた代替シーフードブランドGood Catchは2022年にWicked Kitchenが北米事業を取得し、その後Wicked Kitchenが2024年にAhimsa Companies傘下に入ったことで、Good Catchも同社のブランド群に組み込まれた。

また、Gathered Foodsのプラントベース工場もAhimsa Companiesに売却された。

同ブランドはこれまでに欧米やシンガポールで展開されていたが、現在、公式サイトは機能せず(別内容が表示される)、オンラインショップには「現在利用できない」とする案内があり、リンクトインも投稿がなく、販売状況は不明だ。

出典:Hooked Foods

代替シーフード業界の行方を占ううえでは、製品だけでなく「量産」と「採算」をどこまで示せるかだろう。その観点で、Hooked Foodsと同様に早期から代替シーフードに取り組んできたオーストリアのRevo Foods(旧称Legendary Vish)は、一つの比較対象になり得る。

同社は2024年に月産60トンの工場を開設した。昨年11月には2025年の売上が前年比2倍になり、2026年第4四半期までに黒字化を目指すと発表しており、現時点では好調な代替シーフード企業だ。Foovoも以前、欧州のカンファレンスで同社の代替サーモンを試食したが、完成度の高い仕上がりだった。

Revo Foodsの3Dプリンター製の代替サーモン Foovo(佐藤)撮影 2024年10月 オランダにて

Revo Foodsは白身魚やタコ、ミンチ肉の代替品も開発しており、ドイツだけでなく、スロベニアのJuicy MarblesとともにアメリカではB2B展開も進めている。

閉鎖と統合が進行する中、Revo Foodsのように“スケールと採算”を示せる企業がどこまで増えるか、また、同社が黒字化を達成できるかが、代替シーフード産業の次の局面を左右すると思われる。

 

※本記事は、リンクトインの発表をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Hooked Foods

 

関連記事

  1. NoMy Japan、副産物活用のマイコプロテインで日本市場を優…
  2. 欧州の植物由来食品市場、5.1%成長するも、代替肉・代替魚の浸透…
  3. 米New Cultureが精密発酵カゼインのスケールアップに成功…
  4. 日立造船とNUProtein、成長因子生産に必要な原料の自動製造…
  5. オーストリアのRevo Foods、世界最大の食品向け3Dプリン…
  6. ネスレがFuture Meatと協業して培養肉参入に向けて準備
  7. 熟成で味を強化、培養条件で“味”をデザイン──東大、「狙った味」…
  8. 代替母乳のTurtleTree、カリフォルニアに研究施設開設を発…

おすすめ記事

2021年の代替タンパク質投資額は50億ドルとGFIが報告、2020年の約1.6倍に成長

代替タンパク質の普及を推進する非営利団体Good Food Institute(…

インポッシブルフーズがオーストラリア・ニュージーランド進出へ向け準備

代表的な米代替肉企業インポッシブルフーズが1年以内に株式上場すると言われるなか、…

【1/30】オランダの現地フードテックレポート会開催のお知らせ

第16回Foovoセミナーでは、オランダのスーパーやレストランにおける最新のフー…

精密発酵で母乳タンパク質を開発するHelainaがシリーズAで約22億円を調達

精密発酵で母乳タンパク質を開発するHelainaがシリーズAラウンドで2000万…

インポッシブル・フーズが英小売に初進出|ヘム承認を待つ中、欧州展開を拡大

英小売で発売される植物性バーガーパテ/出典:Impossible Foods代替肉を展開する米イ…

ニューヨーク市、食品調達の広義の環境負荷を36%削減、狭義の排出量では25%減|公共調達で進む低炭素化

Foovo(佐藤あゆみ)撮影/米国にて米ニューヨーク市は今月、市機関の食品調達データと環境・栄養…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

次回Foovoセミナーのご案内

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP