コーヒー

代替コーヒー「SANS」で自社カフェを展開する韓国のWake、プレシリーズAで資金調達

出典:Wake

韓国のフードテック企業Wakeは、12種類以上の天然素材を使用した代替コーヒー「SANS」を開発している。同社は先月、プレシリーズAラウンドで資金調達を実施した(調達額は非公開)。

公式サイトによると、代替コーヒー「SANS」は、ディーツの種子やチコリの根、青りんご、ライ麦、大麦、ハイビスカス、オレンジの皮、ブラックベリーなど12種類の天然原料を使用している。

Asia Business Dailyの報道によると、コーヒーの風味を分子単位で分析し、「分子ハッキング技術」と伝統的な発酵技術を組み合わせて開発されたという。

Wakeは韓国・ソウルで旗艦店となる自社カフェ運営している。

出典:Wake

これまでに韓国内の複数の場所でポップアップショップを展開しており、昨年8月末から11月にかけては、新世界百貨店江南店でポップアップショップをオープンしていた

代替コーヒーをカフェに導入する事例では、日本にも上陸したATOMOや、シンガポールのPreferなどがあるが、Foovoの認識では、代替コーヒーを開発する企業自らが常設のコーヒーショップを運営する事例は、Wakeが初である。

特に、Googleマップに掲載されているSANSカフェのレビューには、豆不使用コーヒーを評価する口コミが多く寄せられており、レビュー数(487件/2026年2月9日時点)からも同社の代替コーヒーが韓国国内で一定の認知を獲得していることがうかがえる。

「SANS」はコーヒー豆不使用のため、気候変動によるコーヒー豆の供給不安や価格変動の影響を受けにくい。また、バリスタの技術に頼らずに3秒で抽出できるため、従来のコーヒーショップよりも人件費を30%削減できるという。

公式サイトでは「SANS」は二酸化炭素排出量を60%、水使用量を76%以上削減できるとしている。

出典:Wake

今回の資金調達に参加したThe Venturesの投資マネージャーHwang Sunghyun氏は、「Wakeは、精密な風味再現技術だけでなく、大手企業の厳しい品質管理基準を満たす量産体制も備えている稀有なチームです。気候危機により、代替コーヒーが選択肢ではなく必需品になりつつある世界のコーヒー市場において、独自の発酵技術によるSANSは、代替コーヒーの新たな基準を確立する次世代のキープレイヤーとなるでしょう」と評価している。

出典:Wake

Wake以外にも代替コーヒーを開発する企業は複数登場している。

スイスのFood Brewerは細胞性カカオで知られるが、植物性コーヒーでも市場投入の準備ができていると、共同創業者のKlaus Kienle氏は先月、Foovoに語った

ATOMOは豆不使用コーヒーに加え、発酵由来の非動物性コラーゲンや食物繊維など健康に良い成分を配合した豆不使用の「Upgrades-The Daily」のスターターキットを発売した

また、シンガポールのPreferが展開する代替コーヒーは、カフェだけでなく自販機でも販売されている。ほかにもオランダ・スイスのスーパーに代替コーヒーを導入したオランダ企業Northern Wonderなどがある。

WakeはGreen queenのインタビューで、韓国に続き、ニューヨークにカフェをオープンする計画を明らかにしている

Wakeの市場アプローチは、これまでの代替コーヒー企業とは異なる。自社でカフェを運営するという同社のアプローチが、韓国を超えて海外市場でも成立するか、今後の動向が注目される。

 

※本記事は、リンクトインの投稿をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Wake

 

関連記事

  1. ブラジルのCellva Ingredients、コーヒー副産物由…
  2. イスラエル企業Ansāが開発した電波を利用したコーヒー焙煎機e2…
  3. フィンランドの研究チームが細胞培養コーヒー生産に関する論文を発表…
  4. 代替コーヒーのPrefer、タイ味の素社と提携|持続可能なコーヒ…
  5. 話題のビーンレスコーヒーATOMO COFFEEを渋谷で飲んでみ…
  6. 豆を使わずに合成生物学でコーヒーを開発するCompound Fo…
  7. スイスのFood Brewer、培養カカオで2027年米国上市を…
  8. 中国OrionStar(猎户星空)がバリスタロボットRoboti…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

北里大学、ニホンウナギの筋芽細胞株の樹立に成功|持続可能なウナギ供給に向けた重要な一歩

2024年10月15日 査読情報に掲載された旨を追記北里大学海洋生命科学…

モサミートがEUから助成金を授与、Nutrecoと共同で培地コストの1/100削減を見込む

オランダの培養肉企業モサミートと同社のパートナー・投資会社であり水産飼料大手Nu…

クラフト・ハインツがAIを活用するフードテック企業NotCoと合弁会社を設立

クラフト・ハインツ(Kraft Heinz)は、フードテックのスタートアップTh…

中国のJoes Future Foodが豚の培養脂肪のパイロット生産に成功/培養脂肪企業10社の動向

中国の培養肉企業Joes Future Foodが培養豚脂肪のパイロット生産に成…

米Bond Pet Foods、精密発酵由来の動物タンパク質2トンをペットフード会社に納品

精密発酵によりペットフードを開発する米Bond Pet Foodsが、精密発酵で…

培養肉でメキシコ初のスタートアップMicro Meatは量産化段階にはいる

細胞農業の進歩により培養肉がスーパーの棚に並ぶ日も近いのかもしれない。M…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP