代替プロテイン

培養肉を日常の食卓へ──調理に焦点を当てた料理本『A Scientist’s Cookbook』のクラウドファンディングが開始

出典:A Scientist’s Cookbook/Alex Shirazi氏

培養肉などの細胞性食品を追い続けてきたフードテクノロジストであり、ライターのAlex Shirazi氏が2026年2月2日、培養肉の料理本『A Scientist’s Cookbook: Everyday Recipes with Cultivated Meat』の制作に向け、Kickstarterでクラウドファンディングを開始した

プレスリリースによると、『A Scientist’s Cookbook』は、培養肉を目新しいものとして位置付けるのではなく、既存の食品システムの自然な進化として位置づけ、馴染みのある食事に溶け込めるレシピを提示するように設計されている。

分かりやすいレシピと現実的な文脈を組み合わせることで、新たな食品技術と現実的な料理との間のギャップを埋めることが狙いだ。

Shirazi氏は「培養肉を本物の食材として認識してもらいたいなら、私たちはそれを食材として扱う必要があります。業界がアイデンティティの危機や批判、反発に直面する一方で、技術面では最も重要な進展が見られる今こそ、このような料理本が存在するべき重要な時期です」と述べている

Alex Shirazi氏 出典:A Scientist’s Cookbook/Alex Shirazi氏

本では、現在入手可能な培養肉製品、近い将来に上市が予想される培養肉製品、そして現在使用されている植物性代替品を使ったレシピを提示する

60以上のレシピをフルカラー写真付きで掲載し、培養肉と代替肉の違いや、培養肉を安全に調理する方法なども提示する。培養肉がまだ手に入らない地域向けに各レシピの代替案も用意し、異なる地域での製品の上市状況をQRコードでアクセスできるようにする

書籍のイメージ 出典:Kathleen Nay (@kathleendayle)

支援者向けに初版本やデジタルコンテンツなどのリターンが用意され、初版本の発送対象は世界各国。

「培養肉については多くの議論がありますが、それが実際に日常生活にどのように現れるかについてはほとんど注目されていません。この料理本は、その見落とされたステップに焦点を当てています」とShirazi氏述べる

Shirazi氏はこれまでにアメリカで、昨年には日本でも初開催されたCultured Meat Symposiumの主催、さらにはポッドキャストCultured Meat and Future Foodの運営などを通じ、細胞性食品に関する情報を届けてきた。

『Where Do Hot Dogs Come From?』 Foovo(佐藤あゆみ)撮影

2021年には、培養肉をテーマとした児童書Where Do Hot Dogs Come From?ホットドッグはどこから来た?)』のクラウドファンディングを実施(上記写真)。同書籍は現在、アマゾンで販売されている。業界関係者に限らず、幅広い年齢層に向けて、細胞性食品の正しい理解促進に努めている。

Kickstarterでのクラウドファンディングは2026年3月2日まで。本記事執筆時点で4,000ドル(約62万円)の目標に対し1,870ドル(約29万円)が集まっている。

 

※本記事は、プレスリリースおよびKickstarterページをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:A Scientist’s Cookbook

 

関連記事

  1. MeatableがTruMeatと提携、2025年後半にシンガポ…
  2. ネスレ、アニマルフリーな乳製品開発で精密発酵スタートアップと提携…
  3. Biokraft Foodsが、インドで初の培養肉試食会を開催|…
  4. 細胞農業のスケールアップを支援するスウェーデンのRe:meat、…
  5. 牛を手放し「型破り」な転身を実現したイギリス農家と、それを支援す…
  6. 3D Bio-Tissuesが植物性足場を使用しない培養ステーキ…
  7. 二酸化炭素、水素から脂肪を開発する米Savorがバター試作品を開…
  8. 日本のプラントベース市場は“選択肢”になれるか─展示会から見えた…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

イート・ジャストが中国ファンドから約34億円を調達、代替卵JUST Eggで高級鶏卵と同等価格を実現

代替卵と培養肉を手掛ける米フードテック企業イート・ジャストが中国のプライベート・…

エストニアのÄIO、林業廃棄物を活用した代替油脂の生産拡大|10,000リットル規模へスケールアップ

おがくずなどの林業廃棄物から持続可能な代替油脂を開発するエストニア企業ÄIOは先…

ジャガイモで卵白タンパク質を開発するPoLoPoが約2.3億円を調達

イスラエルの分子農業スタートアップPoLoPoは先月、プレシードラウンドで175…

植物の葉から食用タンパク質を開発するLeaft Foodsが約19億円を調達

代替タンパク質の原料は細胞培養、微生物発酵から、えんどう豆、大豆、オーツ麦など植…

米Friends & Family Pet Food、シンガポールで培養ペットフードの認可を取得

Joshua Errett氏 出典:Friends & Family Pet Food米…

イスラエルの精密発酵企業Remilk、アメリカで上市を実現

食品大手General Millsが、イスラエルの精密発酵企業Remilkの乳タ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP