代替プロテイン

米Ruby Bio、発酵由来のクリーンラベル乳化剤で100g/L超達成|2027年に商用化へ

ABPDUとの提携で生産されたRuby Bioのバイオサーファクタント 出典:Ruby Bio

アメリカのスタートアップRuby Bioは、発酵由来のクリーンラベルな乳化剤で、100g/L超の力価を達成したことを発表した

100g/L超の力価は、発酵液1リットルあたり100g超の目的物質を得られることを意味する。

Ruby Bioはリンクトインで、高い生産性とシンプルな下流工程により、モノグリセリド・ジグリセリドDATEMPGPRなど従来の乳化剤の代替として、コスト競争力のあるクリーンラベルな食品乳化剤を提供できるとしている。

これらは食品添加物として広く使われている一方、クリーンラベル志向の高まりや、油脂由来原料のサプライチェーン課題を背景に、代替原料への関心が高まっている。

Vegconomist報道によると、共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のCharlie Silver氏は今回の力価について、「一つの節目でありゴールではない」と位置づけ、食品メーカーが処方に組み込める製品として、この成果を大規模かつ確実に再現することが重要だと述べている。

UC Davis発の酵母技術で、2027年商用化へ

出典:Ruby Bio

2022年設立のRuby Bioは、天然由来の酵母を「工場」として利用し、低コストの糖を高付加価値製品に変換するプラットフォームを開発している。

使用するのは、カリフォルニア大学デービス校で発見された酵母由来の技術だ。同校が所有する酵母培養コレクションに由来する酵母が、脂肪と糖からなる糖脂質(グリコリピッド)を分泌することが確認された。この物質には洗剤や石鹸に有用な特性があるという。この技術は2024年、Ruby Bioにライセンスされた

公式サイトによると、Ruby Bioのプラットフォームは食品原料のほか、パーソナルケア・ホームケア、ポリオール甘味料ポリマー構成要素オレオケミカルにも応用される。

食品原料分野では、焼き菓子、飲料、菓子製品などの性能や保存性を高める天然乳化剤としての利用を想定している。

Ruby Bioは2022年、バイオサーファクタント(微生物由来の界面活性剤)の拡大に向けて、ローレンス・バークレー国立研究所の先端バイオ燃料・バイオ製品プロセス開発部門(ABPDU)と提携した。同社はABPDUで生産と回収プロセスを10リットルから300リットルにスケールアップし、その後、5,000リットルスケールまで拡大した

今年には、BEAM Circularアクセラレーターにも参加している。同プログラムでは、カリフォルニア州北部のサンホアキン・バレーの農業残渣など、地域由来の砂糖やアップサイクル原料の活用を視野に入れる

AgFunder報道によると、Ruby Bioは2027年の商用化を目指しており、受託製造業者を通じたスケールアップを計画している。同社はすでに技術を5,000リットル規模で検証しており、次の段階として20万リットルでの生産を目指すとしている。

 

※本記事は、リンクトイン投稿海外メディア記事をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Ruby Bio

 

関連記事

  1. 東大竹内研、脂肪を含む5.5cm×4cm×1.5cmの培養肉作製…
  2. フューチャーミートが世界で初めて培養羊肉を生産、年内に米生産施設…
  3. 精密発酵タンパク質、最終製品から「単一原料」の消費者向け販売へ|…
  4. 菌糸体からベーコンを開発する米MyForest Foods、年産…
  5. インテグリカルチャー、黒字化が視野に──2027年に細胞性食品の…
  6. 植物分子農業の米GreenLab、トウモロコシ由来の甘味タンパク…
  7. 二酸化炭素を使用して代替脂肪を開発するスウェーデンのGreen-…
  8. 街に溶け込むCO2タンパク質・代替コーヒー|シンガポール・フード…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

スウェーデン企業Mycorenaが世界初となる菌類由来の代替油脂を開発

スウェーデンのスタートアップ企業Mycorenaは菌類由来の代替油脂を発表した。…

スイスの食品大手ジボダン、ビューラー、ミグロが共同で培養肉の実証プラント建設を発表

スイスの大手食品企業が培養肉市場に参入する。ジボダン、ビューラー、ミグロは共同で…

精密発酵チーズのNew CultureがCJ第一製糖と提携、2023年に上市を計画

精密発酵でチーズを開発する米New Cultureは今月、韓国のCJ第一製糖から…

カナダのNew School Foodsが約8.6億円を調達、トロントに代替サーモンのパイロット工場を開設

ホールカットの植物サーモンを開発するカナダ企業New School Foodsが…

オランダの大手スーパー売り場で見る代替乳製品の今|現地レポート

前回の記事ではオランダ大手スーパーマーケットであるアルバート・ハインが植物性食品…

ドイツのInnocent Meatが約11億円を調達、2028年の市場投入へ|食肉加工業者の培養肉生産を可能にするソリューション

出典:Innocent Meatドイツの細胞性食品スタートアップのInnocent Meatは先…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

細胞性食品(細胞培養食品)レポート・予約注文開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP