出典:Oishii Farm
植物工場でいちごの量産を行うOishii Farmは5月13日、シリーズCラウンドのファーストクローズで総額約240億円を調達した。
スパークス・アセット・マネジメントなどの既存投資家に加え、新たに朝日工業社、日本政策投資銀行、野村不動産、ミスミグループ本社、三井住友信託銀行がラウンドに参加した。これにより、同社の調達総額は525億円となった。
Oishii Farmは調達した資金で、アメリカの植物工場「メガファーム」でさらなる展開を図るほか、今年夏に開設予定の国内研究開発拠点における技術開発、今後の地域展開に向けた基盤技術の確立を進める。
北米18州とカナダに展開するOishii Farm

出典:Oishii Farm
Oishii Farmは、2017年に古賀大貴氏がアメリカで創業した植物工場スタートアップ。
葉物以外の栽培が難しいとされてきた植物工場で、初期から主に内製化による技術開発を進め、いちごの安定量産に取り組んできた。
いちごには「とちおとめ」や「あまおう」といったブランド名が浸透しており、「ブランド構築のしやすさ」からいちごに着目したと、古賀氏は昨年登壇したSusHi Tech Tokyo 2025で語った。
2018年に1パック50ドル(約7,900円)で販売を開始した同社は、技術改善と生産効率の向上により、2023年には1パック10ドル(約1,500円)まで価格を低減。
2024年に本格稼働を開始した世界最大級のいちご植物工場「メガファーム」では、7.99ドル(約1,270円)のプレミアム商品の展開も実現している。
販売地域は拡大しており、今年2月にはカナダ・トロントで販売を開始した。現在はアメリカの東海岸を中心とした18州とカナダ1州で展開している。
いちご販売から植物工場パッケージの海外展開へ

出典:Oishii Farm
Oishii Farmはパッケージ化された植物工場の海外展開に向けて、2025年、東京都羽村市にサッカーコート2面分以上に相当する15,000㎡以上のオープンイノベーションセンターを開設することを決定した。
同施設は今年夏に正式に開設する予定で、数万株規模の実証栽培や、数百パターンの栽培環境を同時に検証できる設備を備える。種苗、IoT、水処理、ロボティクス、機械部品、不動産、建設などの日本企業とのオープンイノベーションを通じ、植物工場の要素技術の高度化と標準化を進める考えだ。

投資家 兼 オープンイノベーションパートナー企業 出典:Oishii Farm
政府は17の戦略分野の一つにフードテックを掲げ、その中でも植物工場と陸上養殖を先行して検討することを決定した。
政府は植物工場について、農産物と植物工場システムを併せた国内外市場で、2040年にかけてシェア3割を獲得する目標を掲げている。Oishii Farmの取り組みは、運営ノウハウを含めた植物工場システムをパッケージ化し、海外市場の獲得を図るという政府の方向性とも重なる(PDF p116)。
植物工場は大規模な設備投資と中長期の研究開発を必要とする領域だ。政府は成長戦略の基本的考え方として「我が国に圧倒的に足りない国内投資を徹底的にてこ入れする」とし、植物工場を含むフードテックを戦略分野の一つに位置づけている。
今回の大型調達は、Oishii Farmがいちごの高付加価値販売から、植物工場の技術を含む「植物工場パッケージ」の世界展開に踏み出す動きといえる。
※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:Oishii Farm




















































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