代替プロテイン

カナダのAuX Labs、精密発酵カゼインで約6.3億円調達|米国GRAS自己認証も完了

出典:AuX Labs

精密発酵で乳タンパク質を開発するカナダのAuX Labsは4月21日、精密発酵プラットフォームの商用化に向けて400万ドル(約6億3,000万円)を調達した。

注:2026年4月24日時点で公式サイトはアクセスできない状態になっている。

NYA VenturesとNàdarra Venturesがラウンドを主導し、Verdex Capital、Builders VCが参加。Congruent VenturesとBluestein Venturesも継続出資した。

AuX Labsは、プロクター・アンド・ギャンブルに以前勤務していたTed Jin氏が2021年に設立した。同社は精密発酵でカゼインを開発しており、今回の調達で、従来のチーズに求められる溶けや伸びを再現できる精密発酵カゼインの事業化を加速させるとしている。

プレスリリースによると、AuX Labsは精密発酵カゼインについて、2025年4月にアメリカでGRAS自己認証を完了している。同社はすでに顧客とのパイロットを進めており、今回調達した資金は生産能力の拡大、チームの拡充、そして外食・消費者向けのパートナーシップの推進にあてるという。

Our World in Dataによると、チーズは1kgあたりの温室効果ガス排出量が主要食品の中で3番目に高い。植物由来では再現が難しい機能性と、チーズの環境負荷の高さの両方を踏まえると、精密発酵カゼインの市場投入が期待される。

精密発酵カゼインのGRAS自己認証が5社に増加

出典:New Culture

精密発酵カゼインに取り組む企業は増えており、Foovoの認識では、GRAS自己認証に到達した企業は5社になった。

最初に公表したのは米New Cultureで、2024年2月に世界初としてGRAS自己認証を発表した。公開情報では同社の市場投入はまだ確認されていないが、昨年1月にカリフォルニア州で製品ラベルと登録を申請し、同年3月には500万ドル相当の受注を獲得するなど、上市に向けて準備を進めている。

2024年10月にはオーストリアのFermifyが精密発酵カゼインでGRAS自己認証を取得し、FDAへGRAS通知を提出したが、同社はその後、清算手続きに入っている。

オーストラリアのEden Brewもβ-カゼインでGRAS自己認証を完了していると先月、Foovoのインタビューで語った。ベルギーのThose Vegan Cowboysも公式サイトでGRAS自己認証を完了していると報告している。

精密発酵カゼインのGRAS自己認証はNew Culture、Fermify(終了)、Eden Brew、Those Vegan Cowboysへと広がっており、今回、AuX Labsが新たに加わった形となる。GRAS自己認証に到達しても積極的に公表しないケースもあり、実際は他にも到達している企業が存在する可能性はある。

精密発酵による食品原料では、インポッシブル・フーズのヘムに加え、β-ラクトグロブリン、卵白、ラクトフェリン、甘味タンパク質の市場投入が進展している。カゼインでGRAS自己認証を得る企業が増えてきた今、どの企業が先に市場投入を実現するか注目される。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:AuX Labs

 

関連記事

  1. ISOが植物由来食品の表示規格「ISO 8700:2025」を発…
  2. The Better Meat Co.がシンガポールでマイコプロ…
  3. ネスレがマレーシアに植物肉工場を建設&乳製品フリー「ミロ」を発売…
  4. そら豆を原料に代替卵を開発するPerfeggtが約4.9億円を調…
  5. Imagindairyがイスラエルで精密発酵ホエイの認可を取得 …
  6. 【5/17】廉価な成長因子を開発するスタートアップNUProte…
  7. ドイツの培養脂肪Cultimate Foodsが約1億円を調達、…
  8. Remilkがイスラエルで初めて精密発酵タンパク質の認可を取得

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

「米ぬか」をタンパク質源に:食糧と競合しない米タンパク質で収益性の高い稲作へ|FABEXセミナーレポ

畜産に伴う環境負荷、世界人口の増加による食料需要に対応するため、代替タンパク質は…

中国のJoes Future Food、中国でパイロット工場の試運転を実施|2,000Lで細胞性豚肉の試験生産を完了

出典:Joes Future Food培養肉などの細胞性食品の商用化は進展しているものの、「豚」…

英Meatlyがイギリスで培養ペットフードの販売認可を取得、年内に販売へ

2024年7月18日 記事・スライドを一部修正培養ペットフードの製造販売…

Leaft Foods、葉由来のルビスコタンパク質を使用したドリンクを米国・ニュージーランドで販売開始

出典:Leaft FoodsニュージーランドのLeaft Foodsは2025年8月13日、葉由…

DSM・フォンテラが設立した精密発酵企業Vivici、資金調達を経てアニマルフリー乳タンパク質の開発を加速

精密発酵でアニマルフリーな乳タンパク質を開発するオランダ企業Viviciは今月、…

3Dプリンターを活用する上海企業CellXが培養豚肉のサンプルを発表

3Dプリンターを活用して培養肉を開発する中国の培養肉企業CellXが培養豚肉のサ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoセミナー開催のお知らせ

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP