代替プロテイン

固体発酵で植物性ステーキを開発するChunk Foods、米大手小売に展開拡大|2025年売上は前年比2.4倍

出典:Chunk Foods

固体発酵によりホールカットの植物性ステーキ肉を開発するChunk Foodsが、アメリカでの小売展開を拡大している。

同社は今年、米大手スーパーマーケットのWhole FoodsH-E-BSprouts Farmers Marketへと導入を拡大した

2020年設立のChunk Foodsは、イスラエルで事業を開始し、現在はニューヨークに拠点を置く。初期よりホールカットの代替ステーキ肉を開発する企業として事業を開始した。

公式サイトによると、ホールカットやカットされた代替ステーキのほか、サイコロ状の代替ステーキ、プルド状など計11製品が展開されている(2026年7月21日アクセス)。原材料には、発酵大豆タンパク質(cultured soy protein)、水、ココナッツオイル、天然香料、ビート由来着色料、塩などを使用している

同社の特許(US20250057184A1)では、大豆などの植物性タンパク質に、微生物を接種し、形成された菌糸によってタンパク質同士を結合させる固体発酵を用いた製造方法が記載されている。使用微生物として、菌糸を形成するAspergillus oryzaeRhizopus oligosporusなどが例示されている([0088])が、市販品に使用されている微生物は公表されていない。

Chunk Foodsがアメリカでの小売進出を実現したのは2024年10月。独立系の一部スーパーマーケットから導入された。その時点で全米の多くのレストランで提供されており、このほど、本格的な小売展開を実現したこととなる。

出典:Chunk Foods

AgFunder報道によると、Chunk Foodsは2025年に売上が前年比2.4倍に成長し、今年はさらにその2倍になると予想される。来年には黒字化を見込んでいるという。その背景として、創業者兼CEO(最高経営責任者)のAmos Golan氏は、牛肉価格の高騰が、自社製品と既存品の価格差を埋めるのに寄与したとAgFunder述べている

実際、アメリカ労働統計局によると、2026年6月の牛肉・仔牛肉の消費者物価指数は前年同月比11.8%上昇した。牛肉ステーキも11.4%上昇している。一方、鶏肉は2.3%、ベーコンおよび関連製品は1.5%下落しており、他の食肉と比較しても牛肉の上昇率は際立っている。

牛肉価格の高騰が続くなか、植物性代替肉との価格差が縮まりつつあることも、Chunk Foodsの事業拡大を後押しする市場環境の一つになっていることがうかがえる。

 

※本記事は、リンクトインの投稿をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Chunk Foods

 

関連記事

  1. ビヨンドミートが日本市場進出へ|U.S.M.Hと独占販売契約を締…
  2. 香港グリーンマンデーのヴィーガンカフェGreen Commonが…
  3. 酵母由来の代替パーム油を開発するオランダのNoPalm Ingr…
  4. Mycorenaが菌類由来の代替脂肪「Mycolein」の発売を…
  5. イート・ジャストの代替卵JUST EggがEU当局の認可を取得
  6. おがくずと微生物で脂肪を開発するエストニア企業ÄIOが約1.4億…
  7. 【現地レポ】ソーラーフーズ、ソレインを商用生産する工場を稼働/ソ…
  8. Motif FoodworksがSolar Biotechとの提…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

米SCiFi Foodsが培養牛肉製品で初のLCAを実施、環境メリットを証明

培養牛肉を開発するアメリカ企業SCiFi Foodsは、培養牛肉製品について初と…

水耕栽培システムを手掛けるPinnacle Food Group、精密発酵への参入加速|ヒトラクトフェリンを初期ターゲットに

出典:Pinnacle Food Group垂直農法と水耕栽培で事業を展開するカナダ企業Pinn…

味の素、ソレイン使用のコーヒー飲料をシンガポールで限定販売|Preferの代替コーヒー原料を採用

出典:Solar Foods味の素は今月27日、フィンランドのソーラーフーズが開発した代替タンパ…

ウイスキー副産物からオメガ3脂肪酸へ|スコットランドのMiAlgaeが微細藻類オメガ3の大型工場を建設開始

出典:MiAlgae養殖における種苗(稚魚)生産では、稚魚の初期餌料であるワムシにオメガ3脂肪酸…

Oishii Farmが進める植物工場のパッケージ化|年内に国内イノベーションセンター設立へ【セミナーレポ】

2025年5月19日更新(Oishii社確認のもと、一部修正)アメリカ・ニューヨークから1時…

オランダの研究チーム、バナナの2大病害に抵抗性を持つ新品種「Yelloway One」を開発

オランダ、ワーゲニンゲンを拠点とする作物育種企業KeyGeneが主導する研究チー…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

細胞性食品(細胞培養食品)レポート・予約注文開始

最新記事

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP