Foovo(佐藤あゆみ)撮影 2024年10月オランダ
オランダのスーパーマーケットで、プラントベース食品の価格競争力がさらに高まっている。
ProVeg Internationalが8月18日に発表した調査によると、植物性のひき肉、バーガー、バター、ミルク、ヨーグルト、チーズの6カテゴリを比較した結果、9つのスーパーすべてで、6カテゴリで構成される植物性製品の合計価格が動物性製品を下回った。
6カテゴリの合計価格は平均すると18%安く、最大30%の差があった。
調査対象のスーパーマーケットは、オランダのAlbert Heijn、Aldi、Dirk、Ekoplaza、Hoogvliet、Jumbo、Lidl、Picnic、Plusの9社。145種の植物性製品、149種の動物性製品、計294製品を比較した。

スーパー別にみた植物性・動物性製品6カテゴリの価格差 出典:ProVeg International
価格差が最も大きかったのはPlusで、6カテゴリで構成される植物性製品が動物性より30%安かった。次いでDirkが28%、Lidlが24%安かった。
カテゴリ別に見ると、バター/マーガリンで最も価格差があり48%、バーガーは31%、鶏肉片は29%安かった。一方、マヨネーズは299%、ヨーグルトは144%高く、最も安価な植物性ヨーグルトでも、乳製品ヨーグルトの価格の2倍以上だという。
価格競争力高まる、PBと価格戦略が後押し

カテゴリ別にみた植物性製品と動物性製品の価格差 出典:ProVeg International
今回ProVegが注目しているのが、商品の容量を考慮してもプラントベース食品の価格競争力が高まっている点だ。
2024年の時点ですでに、同容量で比較した場合、植物性製品はすでに動物性製品より安いケースが多く見られたという。ここ数年でこの価格差はさらに拡大し、肉や乳製品のカテゴリでは、キロ単位の製品でも価格面で競争できるようになりつつあるという。
「そもそも大容量の商品がまだ十分に販売されていないことを考えると、これは注目すべき変化」だとProVegは強調している。
この背景の一つとしてProVegは、スーパーマーケットによる的を絞った価格戦略を挙げている。各社はプライベートブランド(PB)を活用し、プラントベース食品を消費者が購入しやすい価格で提供している。また、インフレの影響で、植物性製品よりも動物性製品の方が価格上昇幅が大きかったとも分析している。
オランダではここ数年、スーパー各社がプラントベース食品の普及を推進する取り組みを進めてきた。その一環として、多くのスーパーが2030年までに販売するタンパク質量の60%を植物由来とする目標を掲げている。
Lidlは2024年夏に、植物由来と動物由来を組み合わせたハイブリッド商品を初導入し、プラントベース食品の価格について恒久的な引き下げも実施した。
14カテゴリに広げると価格差縮小、Albert Heijnは同等価格

スーパー別にみた植物性・動物性製品14カテゴリの価格差 出典:ProVeg International
ただし、今回の調査では、主要6カテゴリの合計では9社すべてで植物性製品が安い結果となった一方で、比較対象を14カテゴリまで広げると、14カテゴリすべてを扱う4社では、Dirkで植物性の方が25%高く、Jumboは8%高、Picnicは4%高、Albert Heijnは同額だった。
ProVegによると、Albert Heijnは14カテゴリすべてで植物性PBを展開する唯一のスーパーだった。同スーパーが、広いカテゴリでも同等価格を実現したことを踏まえると、植物性製品の価格競争力を維持するうえで、幅広いPB展開が一つの要素となっている可能性がある。
実際にFoovoが2024年にオランダで複数のAlbert Heijnを訪問した際にも、同社のPB商品が店舗のさまざまなカテゴリで展開されていることが確認できた。
オランダの価格戦略、日本のプラントベース普及にも示唆

Foovo(佐藤)撮影 2024年10月オランダ
今回の結果は、オランダにおいては、価格がプラントベース食品の普及の障壁になるという状況が、少なくともバーガーやバターなど一部の代替肉・乳製品では変化していることを示している。
オランダ政府は2030年までに、国民が食品から摂取するタンパク質を植物由来50%、動物由来50%とする目標を掲げている。Albert HeijnやLidl、Jumboなどの主要スーパーは、販売するタンパク質の60%を植物由来とする、より踏み込んだ目標を設定している。
国内ではプラントベース食品の普及率に関する目標は設定されていない。一方、政府は非動物由来タンパク食品を含む「新規食品」について、2040年にかけて国内外市場の売上3兆円を目指しており、商品の価格低廉化や、小売・外食企業との連携による販路開拓も施策に挙げている(PDF p296)。
国内でも大手小売による代替食品の展開は進んでいるが、Foovoがスーパー各社を見た限りでは、オランダのように普及目標と品ぞろえ、PB戦略を連動させた取り組みはまだ限定的といえる。オランダの事例は、プラントベース食品の普及を進めるうえで、日本でも一つの参考になりそうだ。
※本記事は、プレスリリースおよび調査レポートをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像はFoovo(佐藤あゆみ)撮影/2024年オランダ

















































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