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政府、フードテックに9.7兆円の官民投資を想定|植物工場、陸上養殖、食品機械、新規食品の4分野

出典:首相官邸

政府は6月24日、日本成長戦略会議と経済財政諮問会議の合同会議で、戦略17分野における官民投資ロードマップ案を示した。17分野で2040年度までに累計370兆円超の官民投資を想定する。

フードテック4分野では、植物工場が4兆6,000億円、陸上養殖が2兆9,000億円、食品機械が1兆2,000億円、新規食品が1兆円となり、合計で9兆7,000億円規模となる。

鈴木憲和農林水産大臣は26日の記者会見で、9兆7,000億円の官民投資について、投資先には重点的に投資することが重要だとし、技術面だけでなく、経営力、海外志向、人的ネットワークなどを含めた多角的な評価が不可欠だと述べた。具体的な支援企業や後押しする技術の選定方法は、今後さらに検討するとしている。

出典:首相官邸

植物工場では、葉菜類に限定される商業栽培品目を市場ニーズに応じて拡充し、農産物および植物工場、運営ノウハウを組み合わせた「植物工場システム」を海外展開する方針が示された。2040年にかけて国内外市場のシェア3割を目指す(ロードマップ案 p280,283/以下同様)。

陸上養殖では、サーモンの大規模養殖に加え、ブリ、トラフグ、ハタ類、ウナギなどの魚種を想定し、モジュール型システムを国内外に展開する。藻類発酵技術やゲノム関連技術を活用した種苗や飼料の開発も進め、2040年にかけて世界市場のシェア3割を目指す(p288)。

食品機械では、企業単独では困難な輸出に伴う各国の規制対応や認証取得を支援する施策や、日本主導による国際標準の策定などで、海外展開を拡大する。鮮度保持技術が食品や生鮮品を輸出拡大する上で起爆剤になるとみており、2040年にかけて国内外市場の売上3兆円を目指す(p293)。

新規食品では、非動物由来タンパク食品と機能性・栄養食品などが対象とされた。細胞性食品(培養肉など)は事例に挙げられなかった。発酵技術や調味技術を日本の強みとし、2030年にかけて健康志向・環境意識の高い欧米市場を中心に展開した後、アジアにも広げ、2040年にかけて国内外市場の売上3兆円を目指す(p295,298)。

これに先立ち、農水省は6月22日、大臣らや各国の大使館関係者を対象に、新規食品の需要拡大に向けて、フードテック関連商品の試食会を開催した(下記写真)。Kinishやディーツフードプランニングなどの国内企業が動物成分を使わない食品を紹介した。

出典:農林水産省

出典:農林水産省

また今月開催されたフードテック官民協議会総会では、新たに発酵菌食品WTと鮮度保持技術WTが立ち上がった。

発酵菌食品WT Foovo(佐藤あゆみ)撮影

発酵菌食品WTでは、麹菌やキノコの菌糸体などを活用した新たな食品素材について、表示、安全性、消費者理解などの課題を議論し、普及を目指す。鮮度保持技術WTでは、冷凍、包装、真空技術などを活用し、食品ロス削減や輸出拡大につなげる方針だ。

高市早苗首相は24日、官民投資ロードマップ案が固まったことを受け、17の戦略分野に関連した大規模投資を起点とする「戦略産業クラスター計画」に言及し、「既存の予算とは別枠で大胆に進めます」と述べた。

また、都道府県が主体となる「地域産業クラスター計画」にも触れ、来月には半導体、次世代船舶、ロケット・射場などの戦略産業クラスター計画や、食品加工、水素、蓄電池などの地域産業クラスター計画について、第一弾の計画公表を行うとした。

 

※本記事は、官民投資ロードマップ案をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

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