出典:慶尚国立大学
韓国の大学発スタートアップOrange CAUが事業化を進めるハイブリッドの細胞性ステーキ(培養ステーキ)について、生産コストを70~80%削減したと韓国の農林食品技術企画評価院が発表した。
この技術は、慶尚国立大学のチュ・ソンテ教授を中心とする研究チームが開発したもので、培養した牛の筋肉細胞と大豆・小麦・エンドウ豆などの植物性タンパク質を組み合わせている。
研究チームは細胞性食品の社会実装を目指して、2024年7月にOrange CAUを設立した。同社は2025年5月に、霜降り状のハイブリッド細胞性ステーキの試作品を発表。この時点では、食用素材を用いたマイクロキャリアの開発に成功し、生産コストを半分以下に削減したと発表していた。
コスト削減の具体的な比較対象や算出条件は明示されていないが、今回の発表では、生産コストを最大80%削減したとしている。
プレスリリースによると、この成果により、1等級韓牛ロースの半額にあたる、1kgあたり約4万ウォン(約4,700円)台で販売できる見込んでいる。
研究チームは、農林畜産食品部と農林食品技術企画評価院が実施する「高付加価値食品技術開発事業」の支援を受け、2021年4月から2025年12月までの約5年間、細胞性食品のコスト高・食感の課題解決に取り組んできた。

チュ・ソンテ教授 出典:慶尚国立大学
開発では、培養した筋肉細胞にエンドウ豆・大豆・小麦などの植物性タンパク質を混合し、糸のように細い人工筋繊維を作り出した。これを束ねることで、繊維構造を持つ「三次元の塊肉」を製造。霜降りは、植物油脂と牛脂を混合した素材を塗布することで再現している。
研究を率いたソンテ教授は、「これまでひき肉状の製品にとどまっていた培養肉を、本物のステーキのように繊維の食感を楽しめる塊肉にし、韓牛ロースの半額まで価格を引き下げたことが、今回の研究の核心です」とプレスリリースで述べている。
韓国は世界第4位の牛肉輸入国であり、細胞を培養して作られる細胞性牛肉は、畜産による環境負荷の低減に加え、輸入依存の引き下げや牛肉価格の安定化につながることが期待されている。
Orange CAUは、ハイブリッドの細胞性ステーキのほかに、植物性ホールカットや、従来肉と植物原料のハイブリッド製品の開発も進めている。これら3種類は同一の製造ラインで製造できるとしており、今年9月には東京で開催された東京インターナショナル・ギフト・ショーに出展した。

出典:慶尚国立大学
7月には、韓国中小ベンチャー企業部傘下の韓国中小企業技術情報振興院による2年間のプロジェクト「TIPS」に選出された。
8億ウォン(約9,400万円)の研究開発資金が投じられるもので、Orange CAUは実際の食肉構造や品質データをもとに、AIを用いた品質予測・最適化技術を発展させる。また、食肉の微細構造を再現する製造技術をさらに発展させ、従来の食肉に近い構造を持つ植物性のホールカット肉の開発も目指す。
韓国メディアの報道によると、2027年竣工予定のグリーンバイオ・ベンチャーキャンパスの試験生産設備を活用し、製品の改良や技術開発を進める計画だという。
韓国では細胞性食品の特区が設置され、販売認可の申請制度も整備されるなど、事業化を後押しする環境整備が進む。
販売認可を取得した企業はまだ確認されていないが、Orange CAUのほかにも、エビのCellmeat、牛肉のSeawithやPangse、培養肉に加え細胞培養コーヒーも手掛けるTissenBioFarmなど、複数のスタートアップが開発を進めている。
※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:Orange CAU














































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