代替プロテイン

スイスのCosaic、クリーミーさと安定性を実現する酵母由来エマルジョンで約9.5億円を調達

出典:Cosaic

スイスのフードテック企業Cosaic(旧称Cultivated Biosciences)は4月21日、シード延長ラウンドで600万ドル(約9億5,000万円)を調達したと発表した。

ラウンドはdsm-firmenichのベンチャー部門dsm-firmenich Venturesが主導し、スイスのディープテック投資会社Kickfund、既存投資家のNavus Ventures、Zuercher Kantonalbankなどが参加した。

Cosaicは調達資金を、規制対応、生産のスケールアップ、大手顧客との産業試験にあてるとしている。

同社は今回の調達についてプレスリリースで、「厳しい資金調達環境の中、今回のラウンドは、独自の技術を持ち、事業化計画が現実的であれば、投資家がフードテック企業への支援を継続することを示しています」と述べた。

単一原料で「クリーミーさ」と安定性を実現するCosaic Neo

出典:Cosaic

Cosaicは、酵母由来のクリーミーなクリーンラベル素材「Cosaic Neo」を開発している。

同素材には脂肪だけでなく、タンパク質や食物繊維も含まれており、動物由来の原料を必要とせずに、機能性飲料やソースなど幅広い用途で乳製品のようなクリーミーさと安定性を実現することを可能にするという。

特に、単一原料でクリーミーさ、安定性、機能性を実現するよう設計されているため、従来は複数の原料や添加物の組み合わせが求められていた配合上の課題の解決につながるとしている。

同社は「Cosaic Neo」について「単純な1対1の置換を超えて、添加物なしで栄養素が新しい方法で結合することを可能にする」酵母由来のエマルジョンだとしている。

Cosaic Neoは、非遺伝子組換えの油脂酵母を用いたバイオマス発酵により生産される。

酵母にグルコースやビタミンを与えて培養すると、酵母細胞内に脂質滴が蓄積される。同社はその酵母細胞を独自の非化学的な抽出技術で処理している。Cosaic Neoは酵母細胞の内容物と細胞壁の一部から構成されており、酵母由来の脂肪、タンパク質、食物繊維を含む複雑な微細構造を特徴とする。

出典:Cosaic

Cosaicは2025年11月、食品原料大手Ingredionとの戦略的提携を発表した。IngredionはCosaicの市場投入を支援し、アメリカ市場から展開を始めるほか、新製品の共同開発にも取り組むとしていた。

昨年4月のプレスリリースでは、プロテインシェイクなどで2026年にアメリカでの上市を目指していると発表していた。今回の発表では具体的な言及はないものの、公式サイト(2026年4月28日時点)には同社素材が2026年に提供可能になることが記載されている。

同じく酵母を用いたソリューションでは、米Puretureの酵母由来タンパク質を使ったプロテインドリンク「PIILK」が今年3月にアメリカで発売された。インドのスターバックスでは今年、SuperYouの酵母タンパク質を使った「Protein Cold Foam(プロテイン・コールド・フォーム)」が導入された。

国内ではアサヒグループジャパンが昨年4月、酵母を用いた代替ミルク「LIKE MILK(ライクミルク)」の販売をMakuakeで開始。昨年9月には1,000mLのテスト販売を開始した。来月12日からは東京、神奈川、千葉、埼玉の一部企業で、200mLの「LIKE MILK」を発売する。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Cosaic

 

関連記事

  1. Onego Bio、精密発酵卵白タンパク質で米国GRAS認証を取…
  2. 厳選型小売のTrader Joe’sで定着する代替チーズ|米国フ…
  3. 植物を活用してアニマルフリーな乳製品を開発するMirukuが約3…
  4. 米パーフェクトデイがシンガポールに研究開発拠点を設置、2021年…
  5. 平滑筋から細胞性食品、ハモ培養上清にも新たな可能性|第2回日本培…
  6. インポッシブルフーズがオーストラリア・ニュージーランド進出へ向け…
  7. マルハニチロ、UMAMI Bioworksと培養クロマグロの共同…
  8. ドイツのBLUU、魚細胞の1,000L培養に成功|細胞性シーフー…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

細胞性カカオは「まさしくカカオ」だった|コーヒー副産物由来の代替チョコも試食/米国フードテック・現地レポート(6)

Foovo(佐藤あゆみ)撮影サンフランシスコで3月に開催されたフードテックイベントFuture …

スーパーの売り場から見る、日本の代替食品の現在地|京都編

Foovo(佐藤あゆみ)撮影/2026年7月環境負荷や人口増加に伴う食料需要への対応、多様な食の…

オランダ、培養肉の承認前試食の実施を認める 年内に試食会実施へ

オランダ政府は今月5日、限られた条件下において、培養肉・培養シーフードの試食がま…

捨てるはずのコーヒーかすでキノコ栽培|ヘルシンキノコが提案する気軽なサステナブルへの第一歩

コーヒー愛好家として、日々発生するコーヒーかすを有効活用できればと考えていた。…

ノルウェー研究評議会が5年間の細胞農業プロジェクトに出資、培養肉・精密発酵による食品開発強化へ

ノルウェーの国家研究戦略を決める政府系機関ノルウェー研究評議会(The Rese…

微生物発酵でサステイナブルな着色料を開発するデンマーク企業Chromologics

植物ベースまたは細胞農業によって肉、魚、乳製品に取り組むフードテック企業は増えて…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

次回Foovoセミナーのご案内

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP