細胞農業の社会実装を進めるインテグリカルチャーが、海外企業との化粧品原料開発と、国内の醸造副産物を活用した培地開発で新たな連携を発表した。
アジアでの化粧品事業の開拓と、国内では地域資源を生かした細胞農業の社会実装に向けた取り組みを並行して進める。
同社は9月29日、シンガポールのImpacFat(インパクファット)と、魚の細胞培養由来の化粧品原料の共同開発やOEM受託の検討、販売に関する基本合意書を締結したと発表した。日本人の杉井重紀氏が創業したImpacFatは細胞培養技術を用いて、カスタマイズ可能な魚脂肪の開発に取り組んでいる。
両社は、ImpacFatが持つ細胞培養由来の魚脂肪素材に関する技術と、インテグリカルチャーが「セルアグ(CellAg)」製品の企画開発や、化粧品OEM開発で培った知見を組み合わせ、日本とシンガポールを起点にアジア太平洋地域において、セルアグ製品や化粧品原料の市場開拓を推進する。
細胞培養由来原料の新規性、サステナビリティ、ストーリ性を差別化要素に、美容と健康の新たな選択肢を提供したいと考えている。化粧品メーカー、美容クリニック、原料商社などに向けた事業展開を目指す。

出典:ImpacFat
インテグリカルチャーは今月21日には、クラフトビール「COEDO」を展開する埼玉県川越市の協同商事と、ビール醸造の過程で生まれる産物を細胞培養培地に利用する共同プロジェクトを発表した。埼玉県のオープンイノベーション支援プログラムに採択され、2027年1月まで検証を進め、2027年2月ごろに成果が報告される予定となる。協同商事は麦芽粕の飼料化など、醸造副産物の循環利用を進めてきた。
インテグリカルチャーは、日本酒の製造で生じる酒粕を精製せずに食品グレードの培地原料として細胞培養に使う研究も進めている。今年8月に大阪で開催された第2回日本培養食料学会大会で研究成果を発表した。酒粕を精製せずにそのまま培地に活用できれば、培地のコスト低減だけでなく精製工程も省略でき、細胞性食品の生産コストにもつながるとみる。
同社は昨年後半、地域の水や酒蔵を細胞農業に結びつける地方創生の取り組みを始動した。新潟県の津南醸造とは天然水を使う細胞性食品・化粧品原料の開発に着手し、オイシックス・ラ・大地とは「新潟フードテックタウン構想」で新潟ブランドの細胞性食品の開発を目指している。今年7月の資金調達でも、細胞農業による地方創生に向けた国内ネットワークの拡大を重点事項の一つに掲げた。
インテグリカルチャーはこれまでも化粧品の事業化を進めており、昨年、収益の半分が化粧品分野によると発表した。国内で細胞性食品の上市に向けたガイドラインの整備が進む中、同社は国内に加えて、海外向けの化粧品事業を推進するとともに、地域の醸造で生じる副産物の有効活用を進めていく考えだ。
※本記事は、プレスリリース①・②をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。







































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