代替プロテイン

米ビヨンドミート、プロテインドリンク「Beyond Immerse」発売で飲料事業に参入|過去には代替ミルク構想も

出典:Beyond Meat

2026年1月22日更新

代替肉で知られる米ビヨンドミートが飲料事業に乗り出した。

同社は今月15日、炭酸のプロテインドリンク「Beyond Immerse」の販売開始を発表した。同日より同社オンラインサイトBeyond Test Kitchenで期間限定販売される。

2009年に創業し、世界80ヶ国以上で、食料品店、レストラン、ホテル、大学など19万ヶ所以上で代替肉製品を展開してきた同社が、非代替肉製品を発売するのはこれが初となる。

「Beyond Immerse」はエンドウ豆由来のタンパク質やタピオカ由来の食物繊維などを原料とし、1本(355ml)あたりタンパク質を10gと20g含む2タイプがある。タンパク質20gの2製品は本記事執筆時点で完売している(2026年1月20日時点)。食物繊維はいずれのタイプも7gを含有。

フレーバーは、ピーチマンゴー、レモンライム、オレンジタンジェリンの3種となる。

過去には『Beyond Milk』も構想、しかし商標は放棄

実は、ビヨンドミートの飲料領域への参入を示唆する動きは2021年にもあった

2021年8月12日、同社は米国特許商標庁に「ビヨンドミルク(Beyond Milk)」の商標を出願した。当時、同社からの公式発表はなかったものの、商標登録は代替ミルク参入を検討しているサインとして受け止められた。その背景には、競合のインポッシブル・フーズが2020年に代替ミルクの開発を発表したことも関係していた可能性がある。

その後、「ビヨンドミルク」は期限内に必要書類が商標庁に提出されず、放棄となった

なお、今回発売した「Beyond Immerse」についても先月8日に商標出願をしている

こうした動きから、同社は一時期、代替ミルク参入を検討したものの、その後計画を取りやめ、栄養面を強化したドリンク事業への参入を選んだと考えられる。

Beyond Test Kitchenは期間限定品や新製品を扱う場でもあり、オンライン販売を通じて消費者の反応を確かめるものと思われる。

Beyondのもう一つの挑戦:菌糸体ステーキは現在も継続

出典:Beyond Meat

ビヨンドミートは昨年にも新たな取り組みを実施した。

昨年7月、菌糸体やそら豆タンパク質などを使用した同社初の菌糸体由来製品を、代替ステーキとしてアメリカの一部レストランで提供を開始した

出典:BOA Steakhouseラスベガス店メニュー

ステーキレストランBOA Steakhouseの5店舗(ウェストハリウッドサンタモニカマンハッタンビーチオースティンラスベガス)では現在もメニューに掲載されている。

昨年にはレストラン限定だったが、現在はオンラインサイトBeyond Test Kitchenでも購入可能となっている。

売上低下の中、飲料を「第二の柱」にする狙いか

出典:Beyond Meat

創業者兼CEO(最高経営責任者)のEthan Brown氏は「Beyond Immerse」について、植物に関する同社の知見を機能性飲料ラインに活かしたものだとプレスリリースで説明した。

「タンパク質から食物繊維、そして抗酸化物質や電解質まで、植物が持つ優れた栄養をさわやかで満足感のあるドリンクにして消費者に届けること」が開発の目的だと述べている

2025年第3四半期の決算発表によると、同社の売上高は7,020万ドル(約110億円)と前年比13.3%の減少となった。売上総利益は720万ドル(約11億円)、売上総利益率は10.3%となり、前年同期の1,430万ドル(約22.5億円/売上総利益率17.7%)から半減した

同社は売上高減少の理由として販売量の減少を挙げ、その背景にカテゴリ需要の低迷米国小売の販売拠点の減少などを挙げた

ドリンク事業への参入は、低迷する代替肉カテゴリに加えてもう1つの収益の柱を立てること、栄養面の強化で訴求し代替肉のように既存品との比較を回避することを狙った動きだと思われる。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Beyond Meat

 

関連記事

  1. 【現地レポ】Quornのマイコプロテインを食べてみた@シンガポー…
  2. Moolec Science、ウシミオグロビンを生成するエンドウ…
  3. 米Jellatech、細胞培養によりヒトコラーゲンの開発に成功
  4. 米製粉大手Ardent Mills、小麦由来の代替カカオ原料「C…
  5. 廃水を活用して菌糸体タンパク質を開発するHyfé Foods、ス…
  6. 米Reel Foods、初の培養魚試作品を発表|組織工学を活かし…
  7. イスラエルの培養肉企業MeaTechが世界で初めてNasdaq市…
  8. Biokraft Foodsが、インドで初の培養肉試食会を開催|…

おすすめ記事

カナダ企業のピザ自販機PizzaFornoが北米3ヵ国に進出

北米初のピザ自販機を開発したカナダ企業PizzaFornoがピザ自販機の導入エリ…

MycorenaとRevo Foodsが3Dプリント用マイコプロテインの開発で約2.1億円の欧州助成金を獲得

マイコプロテインで代替肉や代替バターを開発するスウェーデン企業Mycorenaは…

小売大手のLidl、植物由来食品の販売比率を2030年までに20%増加へ|31ヵ国を対象としたグローバル目標

ドイツの大手スーパーマーケットチェーンLidlは、2030年までに植物タンパク質…

代替魚・代替シーフードベンチャー企業25社まとめ【2021年版カオスマップ】

この記事では、代替魚・代替シーフードの開発に取り組む国内外のベンチャー・スタート…

バナナの追熟をAIで予測する米Strellaのソリューション

米スタートアップ企業Strellaは、リンゴなどを保管するCA貯蔵庫の熟成度をリ…

極限環境微生物で代替パーム油を開発するシンガポール企業Biteback Biotechnology|創業者インタビュー

微生物を活用した代替パーム油の開発が活発化している。今年3月には、油脂酵…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovoセミナー開催のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP