代替プロテイン

スペインのNovameat、肉と混合する植物性ミンチ素材を発表|代替と並行するハイブリッド戦略

 

植物性の代替肉を展開するスペイン企業Novameatは今月、食品メーカー向けの新素材「Balanced Protein Ingredient」を発表した

既存の食肉製造ラインに組み込める植物性素材を提供することで、食品メーカーのコスト管理、栄養改善、環境負荷低減を支援する狙いがある。

肉を完全に置き換えるのではなく、肉の使用量を減らす発想であり、植物肉スタートアップが「代替」と並行して「ハイブリッド」戦略も打ち出した。

Novameat、初期のステーキ路線からハイブリッド向け素材へ

出典:Novameat

2018年に設立されたNovameatは以前、植物性足場に動物細胞を組み合わせた細胞性ハイブリッド肉(培養ハイブリッド肉)の試作にも言及し、植物性ではステーキ路線を前面に出していたが、現在の公式サイトでは植物性のプルド素材を中心としている。

公式サイトによると、2023年に「Pulled Beef Style」「Pulled Chicken Style」、さらにホールカットをスライスしたコールドカット「Turkey Style」を発売した。2025年には「Pulled Pork Style」、「Pulled Lamb Style」を追加し、製品のラインナップを広げてきた。

当初は3Dプリンティングから始まった同社だが、現在は3Dプリンティングの原理を工業規模で再現した独自技術「Microforce」へと進化したという

既存製品は、スペインのほか、イタリアイギリスオランダベルギーフランススイス展開している。

出典:Novameat (2026年3月11日アクセス)

新素材「Balanced Protein Ingredient」はハイブリッド向けで、従来製品と同様にエンドウ豆タンパク質を主原料とし、水、ヒマワリ油、海藻エキス、天然香料を使用。これまで展開していたプルドタイプと異なり、ミンチタイプとなる。

公式サイトによると、同素材は肉と混合して加熱調理した際にもメイラード反応のような焼き色を生みやすい設計となっている。また、水分保持性が高く、構造安定剤として働くため、調理時の重量ロスを抑えられるとしている。

広がるハイブリッド戦略

出典:Novameat

こうしたハイブリッド戦略は、植物肉分野にとどまらず広がりつつある。動物原料を完全に置き換えるのではなく、既存製品の中で段階的に使用量を減らすアプローチだ。

Quornは2024年7月、NHS病院を含む外食サービス業者向けに、肉と組み合わせる用途としてマイコプロテインの提供開始を発表した。

オランダでも食肉業界で60年以上の経験を有するJan Zandbergenが、肉の消費量を減らすためのハイブリッド肉「FiftyFifty」を展開するほか、鶏卵事業者Kipster向けにハイブリッドチキンストリップも開発している

国内ではSprouTxが肉や魚と自社の植物性繊維化タンパク素材を混ぜるハイブリッドな用途を提案している。

乳製品分野ではデンマークのPlanetDairyが欧州の一部の国で、乳タンパク質と植物タンパク質をブレンドしたハイブリッドタイプの「チーズ」「ミルク」の市場投入を進めている

シンガポールの小売店で販売されるGOOD Meatの細胞性鶏肉(培養鶏肉)も、製品中の細胞性鶏肉は3%で、植物タンパク質を組み合わせたものだ

 

※本記事は、リンクトインの投稿をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Novameat

 

関連記事

  1. Mogale Meatがアフリカで初の培養鶏胸肉を発表
  2. 米The Better Meat Co.がマイコプロテインに対し…
  3. 中国代替肉企業Hey MaetがプレシリーズAで数百万ドルを資金…
  4. オランダ大手スーパー、植物由来食品44%の販売率を報告|売り場戦…
  5. フードテックで注目|精密発酵セミナー開催のお知らせ
  6. Mirai Foodsが厚さ1.5cm以上の培養テンダーロインス…
  7. ベルがパーフェクトデイと提携、精密発酵タンパク質の代替チーズを来…
  8. Calystaの単細胞タンパク質FeedKind、水産養殖への使…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

イスラエルのBELIEVER Meats、アメリカで世界最大の培養肉工場を着工

イスラエルの培養肉企業BELIEVER Meats(旧称Future Meat …

ビヨンドミートが日本市場進出へ|U.S.M.Hと独占販売契約を締結

アメリカの代替肉企業ビヨンドミートが日本市場に参入する。ユナイテッド・ス…

GRAS自己認証に終止符か|米国FDA、通知義務化の規制案をアジェンダに追加

ロバート・ケネディ・ジュニア米保健福祉長官(出典:米保健福祉省)ロバート・ケネディ・ジュニア米保…

イスラエルのドローン企業Flytrexが約8億7000万円を調達

ドローンスタートアップFlytrexは800万ドル(約8億7000万円)を調達し…

スティックブランドの米Slim Jimがメタバース参入に向けて商標を出願

アメリカを拠点とするミートスティックブランドのスリムジム(Slim Jim)は、…

タイソンの植物肉ブランドRaised & Rootedが100%植物ベースの新商品を発売

タイソンフーズが植物肉への取り組みを強化する。自社の植物性ブランドRai…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

代替カカオレポート販売開始のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP