代替プロテイン

オランダのThe Protein Brewery、菌糸体原料「Fermotein」でEU新規食品の認可取得|2027年に600トン供給計画

出典:The Protein Brewery

オランダのスタートアップThe Protein Breweryは6月17日、菌糸体原料「Fermotein」がEUで新規食品として認可されたことを発表した。

Fermoteinは、テンペに使われる菌株と近縁であるRhizomucor pusillusのバイオマス発酵で得られる菌糸体原料。タンパク質を約50%、食物繊維を約30%含む。EUでは「Rhizomucor pusillus mycelium(Rhizomucor pusillus 菌糸体)」という用語で展開される。

EUの新規食品制度は1997年5月15日以前にEU域内で食経験がないものを対象としており、1985年から販売が開始されている英Quornのマイコプロテインは例外となる。

Fermotein 出典:The Protein Brewery

The Protein Breweryの新規食品申請がEUで受理されたのは2020年6月30日。昨年12月に欧州食品安全機関(EFSA)により安全性が認められ、欧州委員会で正式に承認された。

実施規則はすべてのEU言語に翻訳され、EUの官報に掲載後20日目に発効となる。発効後、販売可能になる。承認まで6年を要した。

同社原料は、EUで新規食品制度が導入されて以来、最初に認可された菌糸体原料となった。データには5年間の保護が認められる。

Fermoteinは、健康とウェルネスを目的とした食品・飲料で使用が承認されており、プロテイン粉末、サプリメント、バー、代替乳製品など幅広い食品での採用が見込まれる。

米国、シンガポールに続き、EU市場へ

出典:The Protein Brewery

2020年設立のThe Protein Breweryは2024年、シンガポールでの販売認可を取得した。

2021年にアメリカでGRAS自己認証を取得し、販売可能になった。その後、アメリカ食品医薬品局(FDA)にGRAS通知を提出していたが、今年3月に「申請者の要請により評価は中止」されている。

FDAのレターによると、GRAS結論を裏付ける追加情報が必要だとして、FDAはThe Protein BreweryにGRAS通知の評価中止を要請するよう推奨した。FDAは同社の要請を受け、2026年3月3日付でGRAS通知の評価を終了。これは将来の再提出を妨げるものではなく、データが整った後に再度提出される可能性がある。

プレスリリースによると、The Protein Breweryは欧州、アメリカ、シンガポールの顧客企業との契約に基づき、2027年にはオランダ・ブレダの工場から600トンのFermotein供給を計画。2029年までに2,000トン以上に増産する予定だという。

同社はシンガポールで最初の顧客が2026年第1四半期に市場投入予定だとしていたが、具体的な発表は確認できていない。アメリカでは上市されている。

イギリス、カナダ、オーストラリア・ニュージーランドでも申請作業が進行しており、今年後半にはイギリスでの認可を見込む。

新規食品における“ラスボス市場”であるEUで販売への道が開かれたことは、オランダに製造拠点を持つThe Protein Breweryにとっては大きな転機となる。欧州の顧客企業に対し、域内から直接供給できるようになるためだ。

ただし、EUでの承認はあくまで入り口に過ぎない。緑豆をベースとした代替卵JUST Eggのように、EUで緑豆タンパク質が新規食品として承認された後、販売までに4年近く要したケースもある。The Protein BreweryがEUで最初の販売をいつ実現できるかが、次の焦点となる。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

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アイキャッチ画像の出典:The Protein Brewery

 

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