代替プロテイン

明太子大手やまやが代替シーフード参入、魚卵不使用の「だいたい明太」を開発|病院食・高齢者食も視野に

 出典:やまや

植物性の代替ウナギや代替ツナなど、国内で代替シーフードの開発が加速する中、明太子メーカーが代替シーフードに参入する。

明太子メーカーのやまやは約5年かけて、魚卵を使わず、本物の明太子らしい粒感や美味しさにこだわった「だいたい明太」を開発。今月開催されたジャパン・インターナショナル・シーフードショーで初披露した。

業務用に1キロあたり1,200~1,300円での提供を想定している。

魚卵を使わず、明太子特有の粒感を再現

出典:やまや

やまやによると、病院食や高齢者向けの宅配食では塩分量の懸念から明太子の採用は難しく、食べたくても食べられないとの声があったという。また、魚卵を取り巻く環境変化や価格高騰を背景に、将来的な供給リスクの可能性を考えて開発に踏み切った。

原料にはメーカーと共同開発した代替卵を使用し、明太子らしい粒感を再現。この代替卵はでん粉加工品を原料としている。明太子の美味しさに欠かせない味は、創業以来培ってきたやまやの調味液を使用した。なお、調味液には魚卵由来エキスを使用している。

同社によると、開発では明太子ならではの粒の小ささに苦労した。イクラと違い、明太子は一粒一粒が小さい。小さい状態のまま、口の中で粒感を再現することに最も苦労したという。

ご飯と一緒に口にしても粒感を感じられるよう、粒の大きさと食感にこだわった。粒が大きすぎると偽物感が出てしまい、小さすぎると具材感が失われる。大きさを変えたサンプルを複数試作し、検証を重ねて現在のサイズにした。また、あえて本物の明太子の粒より少し硬めにし、ご飯と一緒に食べても噛み応えのある食感を設計した。

さらに、塩分だけでなくコレステロールを気にする人にも食べやすい設計にした。明太子には鶏卵ほどではないがコレステロールが含まれている。「だいたい明太」はコレステロールを含まず、塩分も従来品の半分に抑えた。

代替明太子は先行事例も、大手参入で市場拡大なるか

出典:やまや

魚卵を使わずに明太子を再現する試みは、これまでも行われてきた。

ディーツフードプランニングは魚卵を使わない業務用の「ディーツ明太タイプV」を展開し、マンナンミールカンパニーもこんにゃくを使った「マンナン明太子ベース」を提供している。

キユーピーは2024年8月、植物油脂やデンプン加工品などを原料に、たらこの風味を再現したパスタソースを発売した。同社はまた、たらこや明太子、いくらなどを対象とした代替魚卵の製造方法に関する特許も取得している。

今回、明太子専業の大手企業が、約5年をかけておいしさに妥協せず、減塩・医療・高齢者食市場向けも見据えて代替明太子を開発した形となる。

日本の植物性シーフード市場は、2026年から2034年にかけて28.91%の成長が見込まれている。国内の代替シーフードはこれまで、ウナギやツナ、サーモンなどの魚肉を再現する商品が中心だった。

あづまフーズは2021年より「まるで魚シリーズ」からサーモン、マグロ、イカの代替品を発売した。日清食品は2023年5月、植物性ウナギの開発に成功し、翌年にはカップメシの「日清謎うなぎ丼」を発売。今年7月には風味を改良したバージョンを発売した。かるなぁも同月、植物性のツナやウナギ製品をECサイトやレストラン向けに販売。カネテツデリカフーズは今月、タコを使用しない「ほぼタコ」を発表した。

魚卵にも大手メーカーが参入したことで、国内の代替シーフード市場がさらに広がりを見せるか注目される。

※本記事は、やまやがFoovoに送付したメディア向け発表資料をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:やまや

 

関連記事

  1. 米Friends & Family Pet Food、…
  2. JBS子会社のBioTech Foods、スペインで南欧最大の培…
  3. MISOLA FOODS、日本初のオーツミルク専門メーカーとして…
  4. 代替肉のRedefine Meatがイスラエルで5つの新商品を発…
  5. 培養サーモンの米Wildtype、レストラン・小売との提携を発表…
  6. バイオ3Dプリンターで植物性代替サーモンを開発するLegenda…
  7. 培養脂肪の英Hoxton Farmsが約32億円を調達、ロンドン…
  8. 北里大学、ニホンウナギの筋芽細胞株の樹立に成功|持続可能なウナギ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

世界初!シンガポールOsomeFoodが開発したマイコプロテイン由来の代替ゆで卵

シンガポールを拠点とするOsomeFoodは、世界初となるマイコプロテイン由来の…

米Friends & Family Pet Food、シンガポールで細胞性ウズラ肉使用のペットフード発売|アジア初の販売事例に

出典:Friends & Family Pet Food2026年7月4日更新米…

CulNet Systemからイネ、微細藻類を活用した低コストで持続可能な培養液開発の今|第5回細胞農業会議レポート

培養肉の生産コストの大部分を占めるといわれるのが、細胞を育てるために必要な培養液…

目の前で焼かれる培養肉、その香りはまさに牛肉だった|関西万博レポート

写真提供:吉田美和氏 本記事は、エトワール国際知的財産事務所の弁理士・吉田美和氏による寄…

オランダの大手スーパー売り場で見る代替乳製品の今|現地レポート

前回の記事ではオランダ大手スーパーマーケットであるアルバート・ハインが植物性食品…

レタスとタバコの葉緑体でミオグロビン生産、英研究チームが実証

出典:Imperial College Londonイギリスの研究チームは、レタスとタバコ植物の…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

次回Foovoセミナーのご案内

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP