アップサイクル

Volare、年産5,000トンの昆虫タンパク質工場をフィンランドに開設|大型工場の撤退相次ぐなか量産へ

出典:Volare

ペットフードや水産飼料向けに昆虫タンパク質・油脂を開発するフィンランドのVolareは今年6月、同国ポリに初の商用工場「Volare 01」を開設した。

年間生産能力は昆虫タンパク質が約5,000トン、昆虫油が約2,000トンで、先月、生産準備が整ったことを発表した。

Volare、初の商用工場の生産開始へ

出典:Volare

Volareは、フィンランド技術研究センター(VTT)からのスピンオフとして2021年に設立された。食品産業から出る副産物を餌にアメリカミズアブを飼育し、タンパク質や油脂などに変換している。

同社によると、アメリカミズアブが食品の副産物を食べて成長すると、タンパク質と油脂の混合物を生成する。最終的なアミノ酸組成は飼料用にバランスのとれたもので、ラウリン酸を豊富に含む油脂は、パーム油やココナッツオイルの代替品になるという。

また、アメリカミズアブは数週間で体重が1万倍になり、成長が早く、バイオマスを高品質な食品素材にアップサイクルする上で効率の良い昆虫種だとしている。

開設された「Volare 01」は約1万平方メートルで、高度な自動化によって1シフト4人で運営できるという。2025年には工場建設や技術開発に向け2,600万ユーロを調達した。同社によれば、既存建物を活用しており、工場は予定通り、予算内で完成した。

Volareは工場の完成前から販売先を確保していた。2024年には、水産飼料のリーディングカンパニーであるSkrettingがノルウェー産サーモンの飼料用に、同工場の「かなりの生産能力」を確保した。

工場の生産量の相当部分はすでに販売済みで、昆虫油についても大手化学企業とオフテイク契約を締結しているという。

大型工場の撤退相次ぐなか量産へ

出典:Volare

昆虫タンパク質業界では近年、大型工場を建設後に事業継続が困難になる例が相次いだ。

フランスのŸnsectは同国アミアンに4.5万平方メートルの大規模工場を建設したが、事業継続に必要な追加資金を確保できず、2025年12月に清算となった。

デンマークのEnorm Biofactoryも年間約1万トンの昆虫ミール生産を想定した大型工場を2023年12月にデンマークで開設したものの、十分な販売量の確保が課題となり、2025年に破産した。

南アフリカのInsecoも2022年の時点で、ケープタウンの1万平方メートルの月産100トン超の生産施設を有していたが、2025年に事業を停止し、資産を業界パートナーに売却した。数ヵ月にわたって繰り返し発生した停電で生産に支障が生じ、これに起因する生産目標の未達成でオフテイク契約を失ったことなどを理由に挙げている。

昆虫タンパク質で工場設置後に事業継続が困難になった事例が複数確認されるなか、Volareが商用工場の生産を軌道に乗せ、継続的な事業運営につなげられるかが注目される。

 

※本記事は、リンクトインの投稿をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

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