出典:PARIMA
オーストラリア・ニュージーランドで、細胞性食品の新たな承認が近づいている。
オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は10月6日、フランスの細胞性食品企業PARIMAが開発した細胞性アヒルについて、食品原料としての使用を認める基準改正案を承認した。
FSANZは13日、この決定を食品閣僚会議に通知しており、同会議が再審査を求めなければ、PARIMAはオーストラリア・ニュージーランドで細胞性アヒルを販売できるようになる。
PARIMAは、細胞性フォアグラを開発するフランスのGourmeyが同国の細胞性鶏肉スタートアップのVital Meatを買収し、2025年10月に設立された。
今回の申請(A1341)は、Gourmeyが2025年8月に提出したもので、ペキンアヒル(Anas platyrhynchos domesticus)由来の胚性幹細胞を培養したバイオマスを、ほかの原料と組み合わせてフォアグラやパテなどに使用することを目的としている(承認報告書PDF p3/以下、ページ番号のみ表記)。

出典:FSANZ
FSANZは今年5月に安全性評価を完了し、6月から7月にかけて意見募集を実施。寄せられた17件の意見を検討したうえで、細胞株と培養バイオマスに公衆衛生・安全上の懸念は認められないと判断した(p3)。
オーストラリア・ニュージーランドでは、2025年6月にオーストラリア企業Vowの細胞性ウズラが新規食品として正式に認可されており、PARIMAが最終承認されると、海外企業として同地域で初めて承認を取得した細胞性食品企業となる。
承認報告書によると、最終承認された場合、細胞性アヒルのバイオマス自体を小売販売することは認められていない(p11/3.2.2)。一方、バイオマスを食品メーカーなどに卸売販売することや、他の食品原料と組み合わせて外食向け・小売向けに販売することは認められる(p4/1.2)。
表示には「cell-cultured」または「cell-cultivated」を用いる必要があり、容器包装への「poultry meat」の表記は禁止される(p6-7)。ただし、承認はまだ確定しておらず、FSANZから通知を受けた食品閣僚会議には、再審査を求めるかどうか判断するための60日間が与えられる。

出典:PARIMA
PARIMAは今年4月、シンガポールで細胞性アヒルの販売認可を取得し、鶏肉と合わせて2種類の細胞性食品が認められた。7月にはVowの22,000リットルの設備を使い、数トン規模のアヒル細胞生産にも成功したと発表。スケールアップと規制面で着実に前進しており、オーストラリア・ニュージーランドでの上市も現実味を帯びてきた。
また同社は、日本で細胞性食品の上市が可能となり次第、国内製造を行う方針も消費者庁への提出資料で示している。
細胞性食品をめぐっては、各国で規制・制度の整備が進んでいる。
イギリスではガイドラインの整備が進み、アブダビでも承認前の試食に関するガイドラインが策定された。一方、投資環境は依然として厳しく、この1年でBeliever Meats、Meatable、Cultimate Foods、Cell4Foodなど企業の閉鎖も続いている。
PARIMAをはじめ、複数のスタートアップで規制面での進展が見られる一方、食品の市場投入はまだ一部の企業に限られ、事業化には依然として課題が残る。
※本記事は、当局資料をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:PARIMA
















































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