新しい食

食品原料大手Döhler、代替カカオのNukokoを買収|大手企業によるカカオ代替が加速

出典:Nukoko

食品・飲料・栄養向けのドイツの大手原料メーカーDöhler(ドーラー)は6月18日、イギリスの代替カカオスタートアップNukokoを買収したことを発表した

Nukokoは2022年設立。チョコレート会社を創業したRoss Newton氏Kit Tomlinson氏が、カカオのサプライチェーンの課題に着目して設立した。カカオ豆の代わりに、欧州を始め世界的に安定供給が見込めるそら豆を活用した代替チョコレートを開発している。

出典:Nukoko

Nukoko買収により、ドーラーはそら豆を使用した代替チョコレートを自社のソリューションに取り込む。今年8月から、チョコレートや菓子、ベーカリー、アイスクリーム、シリアルなどの用途向けにサンプル提供を開始する予定だ。

ドーラーは2024年10月にNukokoと戦略的提携を発表し、Nukokoの技術をパイロット規模から工業規模へ移行し、1万リットルのバッチ発酵生産を実施するとしていた。今回の買収は、原料メーカーがカカオの供給不安に対し、カカオ依存を低減する取り組みを強化する動きといえる。

食品大手が自社の原料ポートフォリオに代替カカオ素材を取り込む事例は増えている。

Foovo作成

穀物メジャーのカーギルは先月、Voyage Foodsと開発したブドウの種子をアップサイクルした代替カカオ素材「NextCoa」を北米で展開することを発表した。カーギルは2024年4月、Voyage Foodsの独占販売代理店になった

チョコレート原料大手のBarry Callebautは昨年11月にドイツのPlanet A Foodsと長期的な商業提携を締結。先月には、Barry Callebautがアメリカで「ChoViva」の独占販売代理店を務めることが発表された

Planet A Foodsはひまわりの種などを原料とした代替カカオ素材「ChoViva」を開発し、日本ではイオン、ドイツではネスレMars(2026年4月―10月限定)を通じて展開されている。

従来のチョコレートは1kgあたりの温室効果ガス排出量が多く、牛肉、羊肉、チーズなどに続き、5番目に位置する

カカオ豆を使用しない代替カカオは、気候変動や病害によるカカオ供給不安への対応策であると同時に、チョコレート原料の調達リスクと環境負荷を下げる選択肢として、食品会社やチョコレート原料会社のポートフォリオに組み込まれ始めている。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

フードテックの国内外ニュースを週1回まとめてお届けしております。
メールマガジン登録はこちらから

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Nukoko

 

関連記事

  1. 政府、17の戦略分野で先行技術を指定|フードテック4分野では植物…
  2. 細胞培養でチョコレートを開発するCalifornia Cultu…
  3. Celleste Bio、植物細胞培養によるココアバター生産を発…
  4. Fooditive、リンゴと梨をアップサイクルした植物性甘味料を…
  5. ニューヨーク州、GRAS自己認証成分の報告を義務付ける法案可決|…
  6. チョコレート会社創業者が立ち上げたNukoko、そら豆由来のカカ…
  7. 砂糖削減に取り組むBetter Juice、ドイツにパイロット施…
  8. 代替ハチミツの米MeliBioが約6.7億円を調達、今春より生産…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

植物の葉から食用タンパク質を開発するLeaft Foodsが約19億円を調達

代替タンパク質の原料は細胞培養、微生物発酵から、えんどう豆、大豆、オーツ麦など植…

ヒマワリ種子のオレオソームで代替脂肪を開発するTime-travelling Milkmanが約1.4億円を調達

ヒマワリの種子からクリーミーな代替乳製品を開発するTime-travelling…

インポッシブルフーズの脅威になるか?スピルリナ由来のヘムを開発したBack of the Yards Algae Sciences

Back of the Yards Algae Sciences(BYAS)とい…

【世界初】米Mission Barnsの培養脂肪、FDAの安全性審査をクリア—小売販売に向け、次のステップへ

米Mission Barnsが開発した細胞培養による豚脂肪が、アメリカ食品医薬品…

「世界で最も野心的なチーズ」を掲げたStockeld Dreamery、事業終了を発表

出典:Stockeld Dreamery植物性チーズを開発するスウェーデンのStockeld D…

欧州大手小売のREWEグループ、欧州の業界団体「Food Fermentation Europe」に加盟──FFE初の小売会員として代替タンパク質推進へ

発酵由来食品・原料に焦点をあてた業界団体Food Fermentation Eu…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

細胞性食品(細胞培養食品)レポート・予約注文開始

最新記事

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP