出典:Perfect Day
精密発酵で乳タンパク質を開発する米Perfect Day(パーフェクトデイ)が、インド西部グジャラート州で新工場の建設を進めている。2027年第1四半期から、精密発酵で製造するホエイタンパク質「ProFerm」の商用供給を開始する計画だ。
新工場は、インド製薬大手Zydus Lifesciencesとの合弁事業として建設されている。Zydusは2024年8月、パーフェクトデイからSterling Biotechの株式約50%を取得し、パーフェクトデイとの50対50の合弁会社を設立。精密発酵タンパク質を世界市場向けに製造する最先端の施設を設立すると発表していた。
パーフェクトデイは今年、リンクトインで建設中の工場の写真を公開した。Green Queenの報道によると、2027年第1四半期にβ-ラクトグロブリン(ホエイの1種)の商用供給を開始する見通しとなる。

2026年初頭時点での建設の様子 出典:Perfect Day
同報道によると、新工場の生産能力は年間約2,500トン。稼働後12カ月間で2,000トンの生産を見込み、2028年には約3,500トンまで拡大する計画だ。さらに同じ敷地に第2工場を建設し、2029年以降に生産能力を倍増させる構想もあるという。
パーフェクトデイは2014年設立。遺伝子組換えした糸状菌Trichoderma reeseiを用いた精密発酵により、牛乳に含まれる主要なホエイタンパク質の一つ、β-ラクトグロブリンを開発した。
アメリカでは2020年、同社のβ-ラクトグロブリンについてGRASとする判断について、FDAから「質問なし」のレターを受領している。イギリスでは現在、β-ラクトグロブリンの申請(案件番号:RP-1571)がリスク評価の段階にある。
販売責任者のKyle Failla氏は、アメリカ、シンガポール、インドのほか、コロンビア、アラブ首長国連邦、イスラエルでも商用利用が認められ、香港では輸入が認められているとGreen Queenに述べている。
同社はこれまでスターバックスや、ネスレ、ユニリーバなど多くの企業と提携し、市場投入を進めてきた。以前は子会社The Urgent Companyを通じ、アイスクリームやクリームチーズなどの消費者向けブランドを展開していたが(下記画像のピンク部分)、その後、同子会社を売却し、B2Bの原料事業にシフトした。

2023年4月時点でのパーフェクトデイ乳タンパク質の上市状況一覧 ピンク色の部分が子会社The Urgent Companyによるブランド製品 調査によりFoovo作成
PricePlowの報道によると、パーフェクトデイはこの約2年間を社内で「秘密モード」と呼び、外部への情報発信よりも、生産量の増加、価格の最適化、収益性を優先してきた。
液状状態で受託製造業者や国をまたいで輸送することが「大きな隠れたコスト」だったとし、新工場では発酵から噴霧乾燥、凝集の全工程を施設内で完結させることで、従来の受託製造に伴うコストや物流面の課題を軽減する狙いがあるという。
精密発酵による乳タンパク質では、パーフェクトデイのほかRemilkやImagindairyなど複数のスタートアップが商用化を進めている。

2023年にシンガポールで流通していたPerfect Dayの精密発酵ホエイを使用した代替ミルク/Foovo(佐藤あゆみ)撮影
高タンパク食品の人気やGLP-1薬利用者のタンパク質需要を背景に、アメリカではホエイの需要が急増している。ホエイはチーズ製造の副産物だが、現在の処理能力が需要に追い付いていないことが需給逼迫の主因となっているという。
アメリカ農務省(USDA)も今年2月、WPC80(ホエイタンパク質濃縮物80%)とWPI(ホエイタンパク質分離物)について需要が生産を上回り在庫が逼迫していると報告しており(PDF p6)、WPC34は4月末時点で一部サプライヤーが年内分をすでに売り切ったとの情報を伝えている。
インドの新工場が稼働すれば、ホエイタンパク質の需要増への対応を迫られる食品企業に安定した供給をもたらすものとして期待される。
※本記事は、海外メディアで報じられた事実を参照しつつ、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:Perfect Day














































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